南シナ海 仲裁裁判所の判断前に米中外相電話会談

南シナ海 仲裁裁判所の判断前に米中外相電話会談
南シナ海を巡ってオランダにある仲裁裁判所の初めての判断が来週示されるのを前に、アメリカのケリー国務長官と中国の王毅外相が電話で会談し、ケリー長官は裁判所が判断を示したあと、各国の対立が激しくならないよう自制することが必要だという考えを伝えました。
南シナ海を巡って、オランダのハーグにある仲裁裁判所は、今月12日に、中国がほぼ全域の管轄権を主張していることは国際法上認められないとするフィリピンの申し立てに対し、初めての司法判断を示す予定です。

これを前に、アメリカのケリー国務長官と中国の王毅外相が6日、電話で会談し、中国外務省によりますと、この中で、王外相は「仲裁裁判所の法律や証拠の運用は、無理やりこじつけたもので、破綻している」と批判したうえで、司法判断は受け入れられないという中国の立場を繰り返しました。そして、「判断がいかなるものであろうとも、中国はみずからの領土主権を守り抜いていく」と述べ、中国側に不利な判断が示されても南シナ海の管轄権の主張を取り下げる考えはないと強調しました。

これに対し、ケリー長官は、国際法に従って解決するよう求めるアメリカ側の立場を伝えるとともに、「各国が自制を保つことを望む」と述べ、仲裁裁判所が判断を示したあと、対立が激しくならないよう自制することが必要だという考えを伝えました。