英で新たに資産運用会社3社がファンドを凍結

英で新たに資産運用会社3社がファンドを凍結
EU=ヨーロッパ連合からの離脱が決まり、景気の先行きに不透明感が広がるイギリスで、商業用不動産に投資するファンドの取り引き停止が相次ぐなか、6日、新たに資産運用会社3社がファンドの凍結を明らかにし、金融市場の懸念が一段と強まりそうです。
国民投票でEUからの離脱が決まったイギリスでは、景気の先行きへの不透明感を背景に、投資家から商業用不動産に投資するファンドの解約請求が急増し、5日までに資産運用会社3社がファンドの取り引きを停止しました。

その後も海外の投資家の間で資金を引き揚げる動きが続いていて、6日、新たに別の資産運用会社3社もファンドの凍結を明らかにしました。これによって、凍結されたファンドの運用総額は148億ポンド(日本円で1兆9000億円余り)に拡大し、イギリスの不動産ファンド市場のおよそ60%が凍結されたことになります。

イギリスの不動産市場は、ロンドンを中心に世界的な金融緩和を受けた海外からの資金の流入で価格の上昇が続いてきただけに、投資資金の流出で価格が急落することも予想されます。さらに、商業用の不動産は企業が銀行から融資を受ける際、担保とするケースも多いことから、不動産価格が急落すれば金融システムに悪影響を与えるおそれもあり、金融市場の懸念が一段と強まりそうです。