新聞だけじゃなくて色々な媒体から情報を収集していて、「見る時間無いでしょ?」って思ってたら、その整理術が凄かった。
新聞7紙をどう読んでる?
- 朝は見出しをざっと見るだけ
- 気になるページはページ単位で破いておく
- 夜、入浴後に気になった部分を中心に読む
シンプルな切り抜き→並べ替え→編集術に繋がるのだそうだ。
7紙も新聞とってて、全部精読したら3時間くらいかかるんじゃないの?って懐疑的になったけど、池上さんはまず見出ししか見ないんだね。それで自分の気になる部分のあるページを破いておく。こうすることで、夜の精読時間を大幅に短縮していることが解る。
情報を得る媒体は多くして、そこから情報を目の粗いザルで篩にかけることで、自分の必要とするものだけを得ようというわけだ。いやはや、圧巻。
切り抜きと新聞購読の必要性について
切り抜きはテーマごとのクリアファイルに放り込んでおく
たったこれだけのシンプルな手法をとっているらしい。かつてはマメにメモを書き込んだり、切り抜きの保存にも時間をかけていたようだが、現在はここに落ち着いているのだそうな。この切り抜きを後日、並べ替えることで編集力がつく、とまで述べている。
池上彰氏は新聞の切り抜きを推奨している。その理由は「自分の興味がある傾向を把握することができる」からだとか。というのも、毎日、切り抜きを行っていると、自分がどんな情報に興味があるのかについて「気づく」ことができるのだそうだ。何気なく新聞を流し読みしていたのでは、それに気づくことも難しくなる。そうではなくて、しっかりと切り抜きし、保存して蓄積することにより、自分の情報に対する嗜好を把握することができる。しかも、その分野での情報が切り抜きによってストックされていき、価値を帯びる。このように申している。
切り抜きは手間がかかるし、ゴミが増えるだけではないかと考えていたが、なるほど確かに、切り抜いた記事の傾向を俯瞰視することで、自分が何に対して重きを置いているのかを理解することができると考えると、今後はやっていこうかなと思わされる。
新聞を読む必要性については、インターネット情報の取得と対比的に語っている。インターネットで情報収集する場合は、自分にとって都合のよい情報しか集めようとしない傾向があり、これでは見識が広がらない。しかも1~2ページ目あたりで自分が納得のいくものに出会ってしまえば、そこから掘り下げるのをやめてしまう。否定的だが有用ともなる情報というのは、3~4ページ目以降に存在していることが多く、そこまで読み進んでいかないと多面的な情報の捉え方ができないという。
ネットでの情報収集は、やり方によっては視野がどんどん狭まってしまう。これを回避するためにも、新聞や雑誌、本などで自分と違う意見や見方を吸収する必要があるのだと。氏はそうおっしゃっている。
書紹『情報を活かす力』
- 情報活用力
- 情報収集力
- 取材・インタビュー術
- 情報整理術
- 読書術
- ニュースの読み解き方
- 情報発信術
について、池上彰氏の実体験に基づいた「誰にでも実践できる」方法を「わかりやすく」解説している。天才や限られた人にしかできない方法ではない、やろうと思えば誰にでもできる方法ばかり。あとはそれを「やるか、やらないか」だけの話なのだな、と。氏はそれを実践している。 努力も才能、とは良く言ったもので、発信者としての矜持を持つために日々の努力を欠かさないのもまた、氏の才能なのかもしれない。
情報を貪ってはいるが、どうもそれらに溺れかけている人もいらっしゃるだろう。そんな人は、彼の情報収集術や整理術に学び、限られた時間を有効に使って、情報の精査をしてみてはいかがだろうか。僕はこの本を見て、新聞を読み、スクラップするというこがいかに重要かを学ぶことができた。