シロアリの社会性、垣間見よう 京大博物館で企画展
世界最大のシロアリで、屋久島(鹿児島県)などに生息するオオシロアリ1万匹の生態展示が13日から、京都大総合博物館(京都市左京区)の企画展「虫を知りつくす」で始まる。薄い透明なケースで飼育して外部から観察しやすいように工夫してあり、集団で暮らすシロアリの社会性を垣間見ることができる。
シロアリは、ハチやアリとともに、繁殖する個体と自分では繁殖しない個体が集まって群れで生活する「真社会性昆虫」と呼ばれる。群れの中には女王アリと兵隊アリ、働きアリがいる。兵隊アリで体長2センチにもなるオオシロアリは枯れた樹木に営巣し、体内に宿す微生物の力を借りて木の成分を分解、土に返す役割を担っている。
展示では、京大農学研究科の松浦健二教授の研究室が飼育するオオシロアリを、餌であるマツとともにケースの中に入れた。頭を振って音を出し、コミュニケーションする様子などが間近でうかがえる。
今回の企画展では、日本の昆虫学の拠点である京大の研究者が昆虫の生態や進化、そのメカニズムを紹介する。竹の中で酵母菌を栽培して食べる甲虫の一種、ニホンホホビロコメツキモドキも生態展示する。松浦教授は「昆虫は『科学への扉』。子どもをはじめ多くの人に、虫の世界の面白さを知ってほしい」と話している。10月23日まで(月、火曜休館)。要入館料。
【 2016年07月10日 11時00分 】