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 10日投開票の参院選で、与党の自民、公明両党に加え、憲法改正に前向きなおおさか維新の会と日本のこころを大切にする党の「改憲4党」が3分の2の議席に迫った。今後は与党勝利を導いた安倍晋三首相(自民党総裁)が主導して、憲法改正をめぐる議論が進む可能性もある。首相の政権基盤も、今回の参院選勝利でさらに盤石となりそうだ。

 「いよいよ憲法審査会に議論の場がしっかりと移っていって議論し、どの条文をどのように変えていくかということに集約されていくんだろう」

 首相は10日夜のテレビ番組で、衆参の憲法審査会で憲法改正をめぐる議論を始めたいとの考えを改めて示した。首相が憲法について語ったのは6月24日にTBSの党首討論番組で言及して以来、16日ぶりだ。

 首相は選挙戦で徹底して憲法改正の議論を封印した。一方で、野党共闘を組んで「改憲勢力の3分の2阻止」を掲げる民進党と共産党を相手取り、「無責任な民共か、責任ある自公か」と攻め立てた。

 結果、与党の自民、公明両党のほか、おおさか維新、こころの「改憲4党」で、国会発議(提案)に必要な3分の2に迫る議席を手にすることに成功した。

 改憲に前向きな勢力が衆参各院で3分の2の議席を占める状況に近づいたことで、憲法改正が今後、現実的な政治課題として議論のテーブルに載ることは確実だ。「衆参3分の2」というカードをほぼ手に入れた首相は、今後の改憲論議の主導権を握ったといえる。

 首相は公示前の党首討論などで…

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