主力業種でも韓国を追い抜き始めた中国

 報告書によると、14年の時点で、中国の上場企業は八つの細部指標のうち収益性、成長性、資産規模、特許出願数、海外M&A金額の五つで韓国企業を上回っていた。中国企業の平均資産規模は、07年は韓国の55%水準だったが、14年には15億704万ドル(約1520億円)と韓国の14億6328万ドル(約1480億円)を追い抜いた。また、中国企業の14年の売上高増加率は韓国の2倍で、営業利益率も中国の方が高かった。

 鉄鋼の品質・技術競争力は韓国製の95-98%レベルまで追いついている。加えて、最近では構造調整に取り組み、産業競争力を一段と引き上げている。先の決定に従い世界5位の宝山鋼鉄と11位の武漢鋼鉄が合併すれば、一気に世界2位の巨大企業となり、韓国鉄鋼最大手のポスコは4位から5位に後退する。

 また、中国の石油化学製品は韓国製と品質は同レベルながら価格競争力は50%高いと評価された。産業研究院のチョ・チョル主力産業研究室長は「主力産業のうち、5年後も中国との競争で優位を保てる品目は一部の高級製品や素材・部品しかない」と警鐘を鳴らしている。

 中国は大胆な海外M&Aにより、新たな技術と市場を一気に手に入れている。米通信社ブルームバーグによると、中国の1-3月期の海外M&A金額は1130億ドル(約11兆4000億円)で、昨年通年のM&A実績に迫った。

■巨額の資本で勢力広げる中国サービス産業

 莫大な資本力を武器に世界の金融市場を掌握しつつある中国の金融企業は、韓国市場にも入り込んでいる。中国保険大手の安邦保険は昨年9月に東洋生命を買収したのに続き、今年4月には独アリアンツの韓国保険事業を35億ウォン(約3億円)で買収した。最近ではING生命の買収にも乗り出しており、買収に成功すれば安邦保険が総資産68兆ウォン(約5兆9000億円)となり韓国生命保険業界の「ビッグ4」体制を打ち崩すとの見方さえ出ている。中国のゲーム・エンターテインメント業界も韓国企業を買収したり、投資を増やしたりしている。

 韓国・国民大のキム・サンウォル教授は「中国政府は国有企業に対し巨額の財政支援と構造改革を同時に行い、強い企業1社を育ててグローバル市場で競わせようとしている」と説明。その上で「韓国政府も大企業だからと規制ばかりするのではなく、M&AやR&Dを積極的に後押しすべきだ」と指摘した。

金承範(キム・スンボム)記者
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