主力業種でも韓国を追い抜き始めた中国

主力業種でも韓国を追い抜き始めた中国

 「巨大な中国政府に立ち向かっているような気分だ」

 韓国のある大企業関係者の言葉だ。韓国企業を中国勢が追い上げる構図は10年前にもあった。だが、最近は中国の政府と企業が一丸となって大規模投資と技術革新に取り組んでおり、実際に主力業種で韓国を追い抜いた分野もある。韓国政府系シンクタンクの産業研究院(KIET)は、主力産業における韓中の競争力比較を踏まえ「半導体市場の75%を占めるシステムLSI(高密度集積回路)分野で、中国の技術レベルが韓国を10%ほど上回った」と明らかにした。

 システムLSIだけではない。韓国が世界1位を誇る半導体メモリー分野でも中国に激しく追い上げられている。中国半導体メーカーの武漢新芯集成電路(XMC)は3月、米国企業と共同で約28兆ウォン(約2兆4000億円)を投じて湖北省武漢市に3D(3次元)NAND型フラッシュメモリー工場を着工した。韓国のサムスン電子が2013年に世界で初めて量産を開始したこの半導体製品は、記憶容量を画期的に高めたサムスンの次世代主力製品だ。中国企業は一般半導体メモリーという中間段階を飛ばし、一気に3D製品に移行するつもりなのだ。

 また、中国液晶パネル最大手の京東方科技集団(BOE)は18年までに20兆ウォン(約1兆7000億円)を投じ、安徽省に「第10.5世代」パネル工場を建設する。韓国の主力は第8世代で、まだ第10世代の生産計画はない。「世代」はどれだけ大きいパネルを生産できるかを表す指標だ。韓国のサムスンディスプレーは1-3月期、テレビ向け液晶パネルでBOEに2位の座を明け渡した。

 中国企業が恐ろしいスピードで韓国企業を追い抜きつつある。韓国経済研究院は5日に公表した韓中の企業競争力分析報告書で、企業の競争力を測る八つの指標のうち収益性、成長性など五つで中国企業が韓国企業を上回ったと明らかにした。

■収益性や成長性、資本規模で中国より劣位に

 韓国経済研究院の研究は07年と14年を基準年とし、両国の上場企業(金融企業を除く)を対象に実施。成果指標(収益性、成長性、資産規模)、研究開発(R&D)指標(R&Dの比重、特許出願数)、国際化指標(海外売上高の比重、海外合併・買収〈M&A〉金額)、生産性指標(労働生産性)を評価基準とした。

金承範(キム・スンボム)記者
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