1996年7月に開催された「さんピンCAMP」から20年。伝説として語り継がれるヒップホップイベントが復活しました! 「マジかよ〜!!」と驚いたオジさんヘッズも多いのではないでしょうか。1998年頃から日本語ラップにハマった僕も例外ではありません。気づけば18年…? 大体友だちだった悪いヤツも30代で所帯持ちってこと…? そりゃ、今年で34歳にもなるわ…。
昨年、BUDDHA BRANDのDEV LERGE急逝という悲しいニュースがあって何か大きな動きを感じていたんですが、日本で一番チカラを持っているヘッズことサイバーエージェント藤田社長が仕掛けた「フリースタイルダンジョン」が大成功。それまで日本語ラップに見向きもしなかった層が、ムーブメントを後押ししています。矢先にこの「さんピンCAMP20」の開催ですよ。なんて良いタイミングなんだ。
奇跡的に前日チケット入手に成功し、さっきイベントから帰ってきたばかりなんですが…余韻を生かして出演アーティスト×代表的なMVを並べてまとめたいと思います。 20年分の文脈があって「どんな背景があり」「誰が出演していたのか」よくわからなかった人たちに役立てていただければこれ幸い。感想はスピード重視の雑さですみません。
そもそもの歴史的背景に関してはこちらの記事を参考にしてください。
般若
まさかのトップバッターで登場した般若。気合い十分のパフォーマンスを披露しました。日本語ラップのイベントにありがちな「開始2時間ぐらいで行けば十分だろ」という雰囲気を打ち消し、開演早々から観客かなり埋まっていて憎い演出だなーと。
Y`S, 十影, KUTS DA KOYOTE
THE FOREFRONT RECORDS代表としてY`S、十影, KUTS DA KOYOTEが登場。般若がいきなりブチ上げた後で盛り返すのが大変そうでしたが、独特の楽曲攻めで雰囲気掴んでました。それでも俺たち釣りに行く!!
YOUNGHASTLE, KOWICHI
YOUNGHASTLE、KOWICHI, DJ TY-KOH率いるFLY BOY RECORDS。レーベルの取り組みに関する知識がなかったんですが、相性の良い3人だと思いました。クラブの現場感が伝わってくる〜! 一切縁ないけど〜!!
YOUNGHASTLEのムキムキBODYが仕上がりすぎてヤバい。かっこいい身体を競うフィジークで良い線いけるんじゃないの??
THE OTOGIBANASHI`S
「前のさんピンCAMPの時は3歳ぐらいだったんですが…」と話すTHE OTOGIBANASHI`Sの面々。現在23〜24歳ぐらい? 若手とは思えない堂々としたライブを落ち着いて披露してました。トラックもラップもかっこいい。
B.D.
元THE BROBUS(めっちゃ好きだったー!)のB.D.がソロで登場。同じステージに登場した後輩たちの姿が印象的で、「お前らもせっかくだから舞台上がれよ!」と言ってそうなB.D.兄貴を想像しました。
9SARI GROUP
フリースタイルダンジョン効果もあってか、漢 a.k.a GAMIの登場で会場は大盛り上がり。D.O, DARTHREIDER, HI-BULLET(CORN HEADの別名義なのこの日知った!)など役者揃いで、場を完全に魅了していました。隣の厚生省のビルを差して「D.Oお前何か言いたいことあるんじゃねーの」と振っていたのがオモロでした。
今日は来てなかったけど、同レーベル所属のPONY、LIBROのこの曲最高なので合わせてどうぞ。PONYのフリースタイルダンジョン二連敗悔し過ぎる…!
IO
最近ハマったばかりのIOが出てきて個人的にウヒョっとなりました。BCDMGのプロデュースでイケてるトラックでフックアップしてる感というか。見た目もかっこいい次世代MCだって誰かが言ってた。
ここで一旦DJタイム
シークレットゲスト「RINO LATINA II」「BUDDHA MAFIA」
中盤でシークレットゲストとしてRINO LATINAIIが登場! ラップの切れ味、言葉の軽快さは変わらず、ほんの数分でレジェンド健在感をアピール。RINOの焼き鳥屋でバイトしている押忍マンが隣にいてほっこりしました。
さらにNIPPSとCQによるBUDDHA MAFIAも登場。BUDDHA BRANDの名曲をダイジェストでかましていきました。レジェンドの扱いが中盤の盛り上がり役におさえているのが、今回の「さんぴんCAMP」の意図なのかなと想像。かっこよさは変わらず。
BUDDHA MAFIAといえばこの曲が最強です。こういうのもっと作ってくれ〜!
韻踏合組合
大阪のベテランラップグループ「韻踏合組合」。大阪時代はしょっちゅうライブ見てたんですが、東京で久しぶりに体験できてテンション上がりました。盛り上げ上手!
R-RATED RECORDS
RYUZO, T.O.P, GAZZILA, SMITH-CNのほかコワモテ感本日No.1の雰囲気で舞台を占拠していました。誰が誰なのか分かってない人多そうだった。
このあたり聴いておけば間違いない!
田我流 feat. Stillichimiya
いま一番好きなラッパーは?と聞かれたら田我流と答えます。This is 最高!!
サイプレス上野とロベルト吉野
昔のレコードを使ったライブスタイルのため、権利関係でAbema TVの生中継はNG! いやー、サイプレス上野とロベルト吉野の安心して盛り上がれる感は異常ですね。ヒップホップ体操の秀逸さ!
NORIKIYO
政治批判のマイクパフォーマンスが長めだったNORIKIYO。好きな曲が多いので独断と偏見でズラッと並べておきます。
14時〜20時という長丁場の中、入退場不可スタイルで何とか踏ん張り続けるヘッズたち。日比谷音楽堂の指定席の椅子に何度救われたことか…。前回の「さんピンCAMP」と違って雨は降らず、気持ち良い夏空を楽しめる快晴!!
OZROSAURUS
準備が大変そうな厳ついバンドセットで登場したのは新生オジロザウルス! MACCHOの自信に満ちたオーラと声量抜群のパフォーマンス…生演奏の強さもあって会場かなりアガってました。なんだよ。すげーな。
ここからは昔の名曲!
NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
シークレットでNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが8人揃って出てきたー!! さんピンCAMP感ー!! pic.twitter.com/Ck9zKJHCSn
— 徳谷 柿次郎 (@kakijiro) 2016年7月10日
トリのANARCHYが先輩ラッパーたちへの敬意を表した流れで、まさかのNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDがシークレットゲストで登場! しかもDABO, SUIKEN, S-WORD, XBS, GORE-TEX, BIG-Z, MACKA-CHIN, DELIの8人勢揃い…。
なんか色々噂があったから「アリエナーイ」と思ってたんですがありえました。ビックリした。最高かよ。
全部懐かしいな〜!! このタイミングでやる「さんピンCAMP」でこれ以上のシークレットゲストはないなと思える選択じゃないでしょうか。他のベテラン勢が参加してないのも良くも悪くも考えさせられる。懐古主義的な盛り上がりは各所であるから、世代交代の狭間でギリギリNITROなんじゃないかなーと。お得感がすごい。
ANARCHY
オオトリを務めたANARCHY。最初は「Abema TVとの関係性もあるし、ANARCHYが妥当かなぁ」という印象だったんですが、彼ほどヒップホップを体現した男もいないし、過去の体験を乗り越えた背中のデカさもあるし、何よりライブパフォーマンスの迫力を見て完全に前言撤回しました。
途中、NITROを呼び込んで盛り上がりきった後でもきっちり最後まで場をロックするひたむきな姿勢。そしてシーン、仲間、同業ラッパーたちへのリスペクトなど、どの視点から見ても日本のラッパー代表でした。機材トラブルもなんのその。名言フリースタイルで乗り越える。良い締め方だったなぁ。
このCM好きすぎるのであえて紹介します。
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来たけど
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来たけど
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来たけど
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来た
初めは何もなかった
明日のライブの服もなかったし
見てくれる客もいなかったし
来てくれるダチはありがたかった
アルバイトしておNEWのキックス
妹にもらったネックレスは
どんなゴールドよりも価値がある
胸の奥にある金メダル
エリート達が相手じゃ無理
誰かに言われたら燃えてくる
腹かかえて笑われたっていいし
優勝してトロフィーがほしいな
絶対なれるよプロにだって
ホームランボールは雲の上
きっとママも喜ぶね
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来たけど
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来たけど
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来たけど
仲間とここまで来た
諦める事なんていつだって出来た
書いた人:徳谷 柿次郎
ジモコロ編集長。大阪出身の33歳。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916