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契約と仕事
一時間だけ睡眠を取り忍び達の早朝訓練を見に広場に向かった。
勿論戦闘用の服をドレスの下に身につけて…。
広場につくと短剣の素振りをやっている人と手合わせをしている人…それと何故かシノ王子と模擬戦をしている人!?
ちょっと待って!!何でもう激しい運動をしているわけ!?どんなに馴染むのが速かったとはいえそう簡単に体力や魔力が回復する訳が無いじゃない!?
うぅ~頭痛がしてくる…。
それより確認しないと…
シノ王子を視ると私の魔力が確りと定着していた
はぁ~例え定着していても少しは違和感があるでしょうに!!違和感感じずに普通に模擬戦してるし
考えられない……
「神子様、おはようございます。」
私の思考は誰かが来たので一旦考えるのを止めた
「おはようございます。」
「昨日は誠に申し訳ございません。
あのような侵入者が入ってくるとは…
それに神子様に戦わせるなど…大変なご迷惑をお掛けしました。兵達の治療や殿下の魔力回復
本当に感謝しても足りないくらいです。」
シノ王子の側近?らしき男性が話終わると
今度は、シノ王子がこちらに来た
男性は礼をしてから訓練に戻った
「神子、昨日はありがとな。」
「いいえ、暫く宿泊させて貰っているのですからこのくらいしてもバチは当たりませんわ。」
「それより何故ここに?」
「早朝訓練を見に来たのです。」
「見るだけか?見るだけではないだろ
下に着ているんだろ」
シノ王子が妖しく目を光らしたような気がした
「えぇ、一応手合わせや訓練に参加したいと思ったときに直ぐに参加できるようにしてますが?」
「俺との手合わせをしたときに思ったんだが…
忍び達の強化訓練をしてくれないか?
勿論無理にとは言わない。それにこれを承けてくれるなら望みを叶えよう。
どうだろうか承けてくれるか?」
ここの国に居られるのも残り2日だからなぁ…
「シノ王子…1つ問題があるのです。
私は今日を入れて残り3日しかいられません。
2日後の昼前にはここの国を出ないといけません
なので承けるとしても時間が足りないのです。」
承けたかったけど流石に時間もないし
約束を破るなんてできないし…
忍を私に預けてくれたら一番良いのだけど…
流石に無理だよね。
私の考えを知ってか知らずか
「別に時間は大丈夫だ。
神子の国に10名程送り
二週間に一回のペースで他の人と入れ替え
これなら大体同じぐらいに成長出来るだろ?」
「えぇ確かに2週間に一回のペースで10人程度なら平等に見られます。」
シノ王子が嬉しそうに
「じゃあ承けてくれるか?」
『奴等はなんの苦労もしない。
拒否ってしまえば良い』
悪魔の囁きが聞こえた気がしたけど
気のせいにして
「えぇ、承りますわ。
その代わり私との契約をしてくださりますか?
秘密次項なのでいつ敵に成か分からない忍び達を強化するのは自爆行為ですので…。」
「わかった。今から儀式の間に行こう。」
シノ王子の後について行き
森のさらに奥に一軒大きな黒いお城があった
シノ王子は何も言わず堂々とその城の中に入っていった。
気味悪い…魅夜としてだったら一番の警戒すべき建物だわ。
ここの回りだけやたら静かで、鳥のさえずりさえ聞こえない。
魔力を眼に溜め集中して視ると
この城を隠すように魔法が強くかつ薄く張られていた。
なるほどね。
これじゃ外からは気づかないって訳ね。
逃げ場所としては最適ね。
「神子何してる?早く来なよ。」
「えぇ、今行きますわ」
城の中に入ると色鮮やかで豪華な
内装になっていた
そして、シノ王子についていくと
地下に行く隠し階段がありそこを降りていくと
見た目は普通の部屋だった。
ここって昔夢に見た場所!?
まさかね…でも確かめなきゃね…
声が震えないように
「シノ王子…ここって昔死者とコンタクトを取るために沢山の犠牲を払って血の陣を書き…この部屋を一面…血の海にして…死者―いえこの国の前国王陛下の言い分を聞き出したところでは無いですよね…?」
違うと答えてほしいと思い
シノ王子の方を向くと
悲しみと驚きが読み取れた
やっぱりここが…あの夢の場所。
多くの悲しみと怒りが渦巻く場所
今は綺麗な白い普通の部屋だけど、昔は赤が一面に広がり黒い陣のなかに一人だけ生存者を置きその人の血で黒い陣をなぞる。
悪魔の仕業とも言える儀式の仕方。
「何で、その事を知っているのてすか?」
「幼いとき夢で見たのです。
この部屋が真っ赤に染められ多くの亡骸を一瞥し
陣が光ったのを確認すると、彼らはすぐさま
前国王陛下を呼び出し国の方針と財産の隠し場所について聞き出した。
そこまでが私が見て知ったことです。」
「そうでしたか…。」
私は、咄嗟に陣を描き始めた
1つ目の陣はここで亡くなった方々にご冥福と
過ちを繰り返さないように誓う儀式
私は陣のなかに入り
ソプラノボイスで
『光に会えぬ 私の思い この場所から 解き放て
穢れを無くし 元の地へ 再び愛しき 者に出会う
その日まで スターライト シリウスの加護
彼らに栄光を 自縛から解き放て 足枷
全てを砕け 女神の元へ かけて行け』
『暗き闇に囚われこの場所で行われた悲しい儀式
一時の思惑で生きれなかった。
その者達に冥福を!!
その者たちが再度この地に生まれ帰れたなら
幸福の日々を過ごせるように
神々へ申し立てる。
さぁ、お好きなところへお帰り、
そしてまたいつか何処かでお会いしましょう
その日までお元気で』
2つの歌を唄い闇が消えることを祈り
シノ王子の方を向き
何もなかった聞かなかったように
「さぁ、契約しましょう?」
と言うと硬直していたシノ王子が
「……あぁ」
と言いながら懐から短剣と陣が書かれた紙を取り出した。
「いつの間に書いていたの?」
「早朝訓練の前に一応書いといた。」
「流石ね。じゃあ始めましょう。」
やり方は簡単
主または契約を持ちかけた人が最後にする
誘われた人と従者が始めに血をつける
その陣をなぞるときにその量が半分なら対等な立場になり半分より少なければその人との立場が低くなる。ほんの1滴なら奴隷となる。
主となる方は、半分なら対等な立場で強力な契約になる
それより少なくすると、いつ放しても良いと思っているってことになる
シノ王子は人差し指を軽く傷つけ陣の半分より少し少なめになぞった。
ふぅ~ん私の方が立場を上にしたのね
私は確りと半分なぞった。
その後に中央にお互いの名前を書かなければいけないが…私の場合どっちの名前で括った方が良いのかしら?
やっぱり忍だから魅夜の方かしら?
一応2つとも書いておこう
「神子・魅夜」
と書くとシノ王子が嬉しそうに微笑んでいた
?どうしてそんなに嬉しそうなの?
契約が終わり来た道をたどって帰り
朝食を食べてから
家宛に手紙を書きテレポート魔法で
家族に送った。
内容は
元気にしていると言うことと
2日後の昼前には帰ること
シノ王子と契約したこと
忍を預かる事となったと
送ると念通(念話通信魔法 の略)が入った
『はい。神子ですが何のようですか?
お父様』
『忍を預かるとはどういうことだ!?』
『そのままの意味です。
預かる変わりに契約をしてもらったのです』
『預かるって言うことの意味を
分かっているのか?』
『えぇ、分かっております。
その者達を育て一流の忍にしなくてはいけないのでしょう?』
『はぁ~。勝手にしろ!!その代わり裏の仕事も確りしなさい。』
『分かりましたわ。お父様』
『そちらを出るときは先に連絡しろ』
『?珍しいですね。私をお出迎えしてくださるのですか?』
『そうだ。一国の第二姫君が帰ってくるのだからな。』
今まで無視をしていたくせに。
都合の良いときには第二姫君とか…
あぁ~嫌けがさすわ。
『分かりました。お伝えいたします
では失礼します。』
念通を切り
森で体を動かしてくる事を侍女達に伝え
一人で体を鍛え直し町へ出ることにした。
沢山の宝石類や武器・忍び服・防具・食材
等がところ狭しと並べられていた。
アメジストを見つけた
三咲にはこの色が一番似合うわ
美紀お姉様にはブルーサファイアが
似合うわ♪
お母様にはラピスラズリが良いかしら?
お父様にはこの国の銘酒
お兄様には…名剣?はどうかしら
店を見ていたら
翡翠を見つけた
こんな綺麗な翡翠始めてみた♪
少し高いけどネックレスにしてもらいましょう♪
個々のお土産を買い
お城で働く侍女や兵士
交流の深い貴族王族用に
買いこっそり私についてきている
兵士に声をかけた
「いつまでそうしているつもり?
お城を出たときからついてきているのは気づいているのよ?」
一人の兵が隣のお店の屋根から降りてきた
「やはりばれてましたか!!
上手くいってると思ったのですがね~。」
ちゃらい…こんな人が忍びにいたのね…
「重そうですね。お持ちいたしますよ♪」
「えぇ、お願いね」
荷物を渡すと魔法石が売っていた
「珍しいですね!!魔法石をお店で売っているなんて!自国ではあり得ないことですよ!!」
お店の亭主のおじさんが
「そらそうさ♪この国は殿下に護られているからな。殿下がこの結界を張らなかったらこの国はいつまでたっても戦場に駆り出されるはめになる。
そう言えば見かけない顔だね」
「えぇ、シノ王子にご招待してもらいまして
後2日で自国に戻らなくてはいけないので
今のうちにお土産を買っておこうかと」
「そうかい、じゃあ特別に安くするよ。
どの魔法石が欲しいんだい?」
「そうね、姿を変える魔法石と瞬間移動石
嘘か本当かを見極められる魔法石をブレスレットにして欲しいの。」
「お代金は1000000位だがまけて1万でどだ?」
「ありがとうございます♪」
「作り終わったら届けてあげるよ。
お城で良いかい?」
「えぇ、お願いします」
「またこの国に来ておくれよ」
「うん。また来ます♪」
暫く彷徨いてから城に戻り夜食を食べてから
夜の訓練をしに――裏の仕事をしに
魅夜の姿になり外に出た。
今回の仕事は簡単♪
忍び学園に入り隠された
秘密書を取り返すこと。
後始末が少なくで楽だわ♪
案の定学院長室の床底に魔法で見えなくされていた。そして偽物もそこらかしこに置かれていた
その偽物を燃やし本物を持って城に戻った。
転送魔法でお父様にその書物を送り
ついて確認が終わったから
私用の武器とお金が送られてきた。
これにて仕事は終った。
また暫く投稿に日にちがかかります。
「異世界」「お嬢様は天才魔法使い!?」「現世と過去」
の三つとも4・5週間に一回の投稿になる可能性があります。
「異能力」や「お嬢様は天才魔法士!?」
「現世と過去」も配信していますので、是非読んでみてください。
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