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異能力者 作者:神子

本編

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新手の歓迎

連れてこられた場所は忍び国の中央広場だった。
私の横にいる上級忍びと思われる男性に問いかけた
「なぜここへ連れてきたのですか?」
「………」
当たり前のごとく沈黙が返ってきた。

やっぱり答えてくれないわね…
しかも結構な数がいるわ
正面の御神体の近くに1人と各木上に3人ずつ
これはこれは新手のお出迎えかしらね。

右前方の木と左後方の木・正面の木
後方の木・左右の木から
黒の忍び服を着た者達が合計7人出てきた。
手には短剣または長剣・手裏剣
横にいた忍びはさっさと消えていた。

はぁ~新手のお出迎えは要らないのにね。
峰打ち程度で暫く眠らそうかしら?
7:1で彼らと同じ上級ね。初級なら峰打ちもできたんだけどね…主剣の短剣もないし今持っている物って言えば 副主の長剣・左用の短剣
殺してもいいなら勝てるかもしれないけど…
流石に殺してしまうと
後々不味いことに成りそうだし
厳しいかも。こうなったら戦略次第だね
この頃剣や対術やっていなかったから…
出来たら魔法で戦いたいけど彼らは、私が魅夜として戦っていたのを知っているし魔法じゃなくて
剣や体術で相手してほしいんでしょうね…
こうなったら一か八か
左用の短剣でやるしかないわね

次々とかかってくる忍を上手く気絶させていたら
少し時間がかかったけど全滅させた。

残りは崖の上にいる3人だけね。
その3人が崖から飛び降りた直後、何かが近づいてくる気配がした。
5分もたたないうちに
その3人は私の50m手前で止まった。
3人のうち一人を守るように残り2人は立っていた
頭領と思われる男性の顔を見るとどっかで見たような不思議な感じがした。
3人とも10代後半か20代前半の若さだ。
真ん中の男性の胸元辺りに7つの手裏剣の刺繍が入っていた。
私から見て右側に立っていた男性が懐から私の短剣を取り出して両手を上げ敵意がないことを示しながら近づいてきた。

彼が私の短剣を持ってたのね
しかもちゃっかり敵意がないことを示して。
忍びは嘘や裏切りはご法度だから本当に攻撃する意思がないみたいね。

私も懐から彼の短剣を取り出し敵意がないことを示しながら彼近づいた。お互いの中間地点で剣を置き
自分の剣だと確認してからサッと後ろに戻った。
頭領らしき人が
「貴女が魅夜姫でございますね。」
「えぇ 私が魅夜です。何処かで見たような気がしていたのですが声を聞いて分かりました。
貴方が忍び国の第一王子 忍 王子様でしょうか」

忍王子は不適な笑みを浮かべながら
「流石 全属全集民国 第二姫君 の 神子姫」
「あら~そっちの名もご存じでしたか」
「噂は部下から聞いていますよ。
上級の忍を軽々と殺られてしまいましたから実力は相当なものだと分かりました。」

私はキョトンとして
「彼らはまだ生きてますよ。
他国の兵を殺してしまうと後々厄介なことに成りますから殺さず気絶させています。」

忍王子は驚きを隠しながら
側近の2人に指示をだし倒れている彼らの元に行った。それを見ながら怪我をした彼らに治癒魔法を唱え傷を治した。
目が覚めた彼らは私を警戒しながら
忍王子の側に行った。
忍王子は全員無事なのを確認し部下を下がらせた。
私と忍王子だけがその場に残った。

私は薄く微笑みながら
「随分新手なお出迎えでしたわね」
「入り口が開かなかった時が有りましたからそれなりの強さが有るか確認したかったのですよ」
「だからと言って突然助勢を襲うなって
非常識ですよ」
「貴女だって先に忍び達の居場所を把握
していたでしょう。しかも身代わり魔法まで用意していたのでしょう。」
「さぁ~何の事でしょうか?」
お互いに顔は笑っていても目が笑ってなかった
一気即発な空気が漂っていた。

さてと…そろそろお遊びは止めないと
ここで本気でやりやったらこの先にある町の民にも被害が出てしまうわ。
私は膝をつき頭を下げて、忍び国にとっての最大の礼を取りながら
「ご存じの通り 全属全集民国第2姫君
そして全属全集民国表裏の次期女王
表の名は 神子 裏の名は 魅夜 と申します。
自己紹介が遅れたことお詫び申し上げます」

そう言って立ち上がり忍王子を見ると目を丸くして固まっていた。
?私は可笑しな事したかしら?
この国では最大の礼をしたのだけど…
間違っていたかしら?

クスクスと笑い声が聞こえたので
忍王子の方を再び向くと
忍王子が肩を揺らしながら笑っていた

「アハハハ~し 失礼。まさかこちら側の最大の礼を初めてお会いした方にされるのが初めてでね。
今まで会った方々は自国の礼か私がまだ若いからって言って見下した挨拶しかしなかったからね。
―――やっぱ良いね、気に入ったよ。
どうだい、私と勝負しないか?」
瞳を見ると王子は冗談を言っているわけでは無いことが分かった。
「えぇ喜んでお相手致しますわ。
対決内容はどうしますか?」
王子は花が咲いたように微笑んだ
「本当に受けてくれるのか!?」
「はい、勿論です。お相手させて頂きます」
「ありがとう、王女様」
「私の事は神子と今はお呼びください。
裏の仕事で来ているときは魅夜とお呼びください」
「では私のことも『シノ』と呼んでくれ」

さてと…町に被害が出ないように結界を張って
民が迷わないようにして…これでよし!!

手合わせは勿論忍の得意技
体術・剣 お互いに一歩も引かず攻防をしていたら
いつの間にか夜になっていた。

「忍、そろそろ終わりにしましょうか。
とても楽しかったわ」
「こちらも楽しかったです。
どうです、私の城に来ませんか?
勿論無理にとは言いませんが。」
「そうね…お邪魔させて貰おうかしら♪」
最後に魔力を込めた短剣がぶつかり合い
お互いの服がぼろぼろになった。
私はドレスの下に強化した戦闘服を着ていたが
忍は上半身裸になっていた。
慌てて異空間から男性物の服を取り出し
忍に渡して背を向けた。

着替え終わったあと移動魔法で城に案内してもらいその日はお風呂に入りご飯を食べて久しぶりにゆっくり寝れそうな気がした。

「異能力」や「お嬢様は天才魔法士!?」 「現世と過去」も配信していますので、是非読んでみてください。
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