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異能力者 作者:神子

本編

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ダンスの練習

私は、今兄さんとダンス講師の女性と広間に居る。
理由は今日の昼の事だ。

兄さんといつも通りに食堂で、昼食を食べ終わって
今日は何をするか紅茶を飲みながら話していた。
食堂には滅多に人は来ないのに、扉が開いて誰が入ってきた。その顔を見たときに何かが起こる気がした。入ってきたのは侍女長だった、絶対にお母様からの伝言を伝えに来たのだと察した。
兄さんは、やっぱりかと言う顔をしていた。
侍女長は、丁寧に腰を折り頭を下げた。

「神子様・亮様お二人には今日の昼過ぎからダンスの練習をしてもらいます。2週間後に舞踏会が隣国で開催されます、お二人宛に招待状が届いております。」
私は、何故私たち二人宛てに来たのか分からなかった。と言うよりも街であった出来事すら忘れていた

「その舞踏会が開催される国とは、もしかして表全属国の王子膳王子からですか?。」
私は、街で起きたことを思い出した。
あぁ~確かあそこであった王子様!!
「ご名答です。いつお会いになられたのですか?」
「街に行ったときに、偶然お会いしました。」
兄さんが答えると直ぐに侍女長が私に問いかけてきた。
私は、兄さんの顔を見たら兄さんは頷いた。
「事件が起こったときにですか?」
「はい。その時に助けて頂きました。」
「そうでしたか。では、昼過ぎに広間に着替えて来てください。」
と言って食堂から出ていった。

兄さんがぼそりと呟いた。
「面倒なことになったな。」
私の方を向いて真顔で
「多分、膳王子は神子を1曲目のダンスパートナーに選ぶはずだよ。」
「えっ!!何でですか?確か1曲目はその王子と仲のよい女性と踊るのでは?」
兄さんは苦笑いした。
「確かにそうだよ。だけどね特定の相手がいない場合は、好きに招待客から選ぶ事になってるんだよ」
「それでも、私が選ばれると決まった訳じゃ…」
「街で神子が魔法を使ったとき、既に獲物を見つけた目になってたし。確実なのは、神子が彼に向かってどこの国の王子かを言い当てた。開国していない国同士がその国の紋章を、知ることは不可能なんだよ。でも神子は知っていた、そこが余計に興味を持たれた決定的なところだよ。」

私は、夜な夜な透し魔法で各国の現状を見たりしていたから国の紋章を知っている。
この事は、誰も知らない私だけの秘密だ。

「そうなのですか。でもダンスは時々兄さんとやっていたので、そこまで手こずらないで済むよね。」
私は、話を反らすことにした。
「多分、大丈夫だと思うよ。時間がないし、ダンス用のドレスに着替えておいで。私も着替えてくる」
反らすことに成功した。
「はい。では、また広間で待ってます。」

私は向かって右側の扉から出た。
兄さんは向かって左側の扉から出た。
それぞれの部屋は南棟と北棟に別れている。
南棟は私の部屋があり、北棟には兄さんの部屋がある。そして食堂は東棟の2階にある
姉さんは西棟の3階、妹は西棟の2階に部屋を持っている。お母様とお父様は別邸に部屋を持っている。
お母様の仕事場は東棟の奥にある家にある。
広間は東西南北の中心部にある。


私はクローゼットからピンク色のドレスを出し、着替え髪の毛を上げた。靴も履き替え急いで広間に向かった。

そして現在に至る。
「さあ、亮様・神子様はどれくらい踊れるのかを見せてもらっても、よろしいですか?」
「はい。」
「では、スタンバイしてください。でき次第曲を流します。」
私と兄さんは中央に行き、体を近づけてダンスの開始の準備をした。
準備が終わったのを見て音楽が流れた。

やっぱり、兄さんと踊るのは楽しい!!
私は、兄さんと目を合わせて微笑んだ。
兄さんも微笑んでくれた。
気づけば曲が終わってた。
私達のダンスを見た講師は大きな拍手をしてくれてた。
「素晴らしかったです。こんなに洗礼されたダンスを初めて視ました!!本当にお二人は誰にも教わっていなかったのですか?」
微笑みながら
「はい。時々兄さんと踊っていただけです。」
「私の教えることは、ありません。十分に他国でも通用する可憐さでした。」
兄さんと私は、感謝を込めて丁寧に礼をした。
「「忙しい中ありがとうございました。」」
講師は、感激の涙を流しながら帰っていった。

その後、舞踏会に着る服の採寸や招待されている他の貴族の皆さんの顔と名前を一通り覚えた。

そして、舞踏会までいよいよ明日と迫っていた。
舞踏会の前日には、城内に入っていることが規則らしいので…。
そのため昼過ぎに兄さんと私は城を出た
勿論王族御用達の馬車で…。
本当ならば途中から馬車に乗るはずなだったが、
もしものことを考えて始めから馬車で行くことになった。

初めて国外に行くため不安と緊張で一杯だった。
兄さんは何回か国外に行ってたらしく、普通だった
私だけが緊張でしてるのが、恥ずかしくなって不要なことを考えるのを止めた。
流れる景色を視ながらどんな国だろか、などを考えることにした。

表全属国は、意外と近く3時間で着いた。
迎えの方々が門前で待っていた。
挨拶を適当に済ませて、今日は城内の客室に停まることになっていた。
「異能力」や「お嬢様は天才魔法士!?」 「現世と過去」も配信していますので、是非読んでみてください。
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