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異能力者 作者:神子

本編

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膳目線と神子の魔法

俺は今他国の町を視察しに来ていた。
いつも城で来ている服装で町を歩いていたせいか、ふと気づけば町行く人々が俺を見て立ち止まって行く手を阻むように次々と人々に囲われていた。

魔法で退けるのは簡単だが、他国の領地に無断に入ったのだから国民の人々に傷をつけたら例え王子だとしても牢や行きだから魔法は使えない。

さてどうすべきかと考えていたら、町人と同じ格好をしているのに周囲の目を惹き付ける美男子と美女が2人がこちらに歩いてきた。

俺はこの状況から脱出する方法を思い付いた。
2人を見ていたら目が合い、一緒にいた少女を後ろに隠したのが見えた。その男性は俺からいっさい眼を放さず、探るような目で俺を見て来た。

内心面白い人を見付けたとにやけた、顔には勿論出していないが。そしてその男性の前にで止まると、周囲の目が好意の眼差しで俺たちを見つめ出した。

俺は前にいる男性に王宮にいる、王族の話を聞くため話しかけた。

「この国の王族に、魔力が使えない王子が居ると噂で聞いたがそれは本当か?」

国民たちが王族の話だと知り、興味が削がれたのか何事も無かったように仕事に戻った。

何処からか殺気が漂ってきた。しかも王族の俺より強い魔力と大量の魔力量。周囲の人々からではないと確認してから目の前に居ると2人に眼を向けたとたんに、さっきまでの強い魔力と魔力量と殺気が一瞬にして消えた。

男性は、後の少女を再度隠し直してから俺の問いに答えた。

「はい、確かに魔法が上手く使えない王子が居ると聞いてます。」

はっきりと答えたこの男性とその後ろにいる少女の事が、きになり名前を聞こうとしたがその前にこの少女以外の殺気と魔法が展開された後の模様が浮かび上がっていた。

さすがの俺でも展開された後に防御魔法を使っても、完成するまでに相手の攻撃魔法がきて護れない。目の前にいる2人は魔法反応が無い、どうすべきか悩んでいた。

悩んでいるうちに巨大な炎の塊が俺達の方へ飛んできた。俺は出来る限り被害が少ないように人々に防御魔法をかけ前にいる2人にも発動させたが、何故か少女の方はかからなかった。

俺は慌て少女の方へ向かおうと走ったが途中で、誰かに防御魔法をかけられ少女の所へ行けなくなり再度防御魔法を少女にかけようとしたがかからなかった。

何故か少女は、俺の方を見て微笑んでいた。いや、
つれの男性に向かって微笑んでいたのかもしれない。
次の瞬間少女は、巨大な炎の玉に向かって水魔法を発動させた。
しかもその水魔法は水国の次期国王になる第1王子にしか教えられない、知っているのは
水国の国王と第1王子のみだと言われているその国の秘伝魔法だ。!!

全く魔力反応が無かったのにいきなり高度魔法を発動させた。
その魔法の名前は
《水龍》(スイリュウ)と呼ばれている。

水龍膳は、炎、火属性の魔法を龍が食べることで消化されるという魔法だ。

膳はこの少女に興味が沸いた。もっと知りたいと初めて女性に興味をもった瞬間だった。

今度こそと思い声をかけようとしたが、つれの男性が先に少女に話しかけていた。その男性はとても驚いた声で少女に話しかけていた。

「神子!?いつから魔法が使えるように成った!!それよりもどうして水国の国王と第1王子しか知らない秘伝《水龍》を何故神子が知ってる?」

ふ~ん。少女の名前は神子と言うのか…この2人はもしかして兄弟か?城に帰ったら調べるか。

「兄さん。黙っててご免なさい。魔法はお姉ちゃんに少しずつ魔力の解放の仕方を教わってたの。それと水龍は夢の中で会って教えてもらったの!!それを初めて発動出来たの。」

3人子供がいる家庭は少ないしかも女性が2人になると、すぐにどの家庭かはすぐにわかる。
さて自分の城に帰って調べるか。
方向を変えて家に帰ろうと歩き出そうとしたら、神子と呼ばれていた少女が俺に話しかけてきた。

「先ほどは国民全員だけでなく、お兄様にも防御魔法をおかけいただいてありがとうございました。そして私を護ろうと駆けつけて下さって本当にありがとうございました。お礼はまたの機会にさせて頂きます。お気をつけてお帰りください、膳王子。」

俺は、驚きを隠せなかった。
開国していない国どうして、しかも一回も会ったこともない少女が何故俺の名前を!?
どうやって知った!?

「…ど、どうして俺の名前を知っている!!」

得たいの知れない恐怖を初めて他人に感じた。
お兄様と呼ばれていた男性も愕然としていた。
神子は可憐に微笑んで

「胸元に付いている刺繍は、周囲を金色で囲い中の模様は花菖蒲その家紋は『表全属国』の家紋だから膳王子ですよね。」

「完敗だ。では私は用事があるので失礼する。」

その言葉を残して帰っていた。
「異能力」や「お嬢様は天才魔法士!?」 「現世と過去」も配信していますので、是非読んでみてください。
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