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神子と兄さん
神子は生まれたときから魔力反応がなく、家族さえも哀れむような目で彼女を育てた。
4才になっても神子は、魔力反応がなかった。
その家族の中でも兄の亮だけが普通に接してくれた。だが、周囲の目はとても厳しく魔法が使えないもの同志の傷の舐めあいにしか見えなかった。
兄は神子に剣の使い方を教えたり礼儀作法を教えてくれた。
「神子、魔力が無くても礼儀作法と知識、最低限の自分の身の護り方さえ知っていれば生きていける。だから頑張って覚えろよ、必ず近い将来役に立つから。」
「はい。亮兄さん!!私頑張ります。ご指導よろしくお願いいたします。」
「こんなところで、亮王子と神子姫君は何をなされているのですか?何をおやられになられても意味がありませんわ。表舞台には立つことはございませんのに。あはははは」
貴婦人は嘲笑いながら別の方向を変えて、笑いながら帰っていった。
神子が不甲斐なさと悲しみとが混ざった眼差しで亮を見上げた。
「神子貴婦人がおっしゃる事を、気にしなくて良いから。今日は、もう部屋に戻ろうか少し日が落ちてきたから。」
「はい…でもお兄様もう少しだけお願いいたします!!あと少しだけでいいですからお願いします。」
神子の強い眼差しに負けて亮は、もう少しだけ稽古を続けることにした。
そして神子は、2・3日でお兄さんに教わった事を全てマスターした。
そのため町ご褒美を神子にあげる事にした。
「神子。全てマスターしたからご褒美あげる。何が欲しい?何処へ行きたい?何でも言って良いよ、今日は神子が好きなことさせてあげるから。」
とても柔らかい微笑みで目を輝かせて神子は
「町に行ってみたいです!!今まで家の敷地内しか出ていないので、どんな物があるのかどんな風に国民の人々が過ごしているのか、実際に見て回りたいです。」
「じゃあ、少し着替えてから町に行こうか。」
「はい!!」
お兄さんがいつの間にか持っていた、ピンクのワンピースを渡されそれに着替えて町に向かって歩いて行った。
「異能力」や「お嬢様は天才魔法士!?」
「現世と過去」も配信していますので、是非読んでみてください。
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