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自国と神精国
寝てから三時間程たった頃
私はいきなり起こされた。実際には後30分でどうせ起きなくてはいけなかったから多少早く起こされても機嫌が悪くなることもない。いつもなら…
けど寝てから三時間しかたっていないのに起こされ寝不足で不機嫌だった。一応シリウス殿下の婚約者なので顔や態度に出ることはない。
「エクレシア姫様ご無礼をお許しください。
国王様とシリウス王太子殿下・アレックス様が
謁見室でお待ちです。
至急来られるようにの事です。」
はぁ~至急って言うことは着替える時間しかないってことか…流石にお腹が空いてきたのだけど
国王様のお呼び出しなら早く行った方が良さそうね。待たすのは失礼だしね。
「分かりました。直ぐに着替えて参ります。
とお伝えください。それとご心配をおかけしました。一人で用意を致しますので侍女の皆さんは自分のお仕事にお戻りください。」
「ですが!!」
「大丈夫ですわ。」
綺麗な笑みを浮かべると
侍女達が真っ赤な顔になり
「な 何かありましたらお呼びください」
声が少し裏返っていたけど言い終わると
礼儀正しく部屋を出た。
さぁ早く支度しなければね。
人が居ないときにしか使わなかった魔法で
ドレスを身につけ髪の毛もそのドレスに合うようにハーフアップを一瞬で終わらせた。
そして軽食用に置かれていたお菓子を少し食べてから部屋のドアを開け謁見室に向かった。
謁見室の扉・壁には盗聴・侵入が不可能にされていた。
わぁー絶対に入りたくないわ
一昨日と昨日の事についてだよね…。
引き返したい…
女は度胸よね。
深呼吸をしてから
「エクレシア・ムーン です。
お呼びになられたと言うことで参りました。
入室しても宜しいでしょうか?」
国王様が
「入室を許す。」
と言うと兄さんが礼儀正しく扉を開けてくれた。
兄さんと眼が合うとすれ違い様に
「気を付けろよ」
とこっそり粒やた♪
私は軽くお辞儀をし室内に入った。
「エクレシア・ムーン
早朝から呼び出してすまない。
どうしても確認したいことがあった。」
「国王様お気に為さらず。
確認したい事とは何でしょうか?」
「とにかく座るが良い。
立ったままは辛いだろうからな」
「失礼いたします。」
シリウス殿下が手招きをして自分の横に座るように促したため私は結局
シリウス殿下の隣に座ることになった
私が座ったのを確認しテーブルの上に
兄さんがお茶を淹れてくれた。
軽く会釈をし香りを嗅ぐと
ハーブの香りがした。そして一口飲んでから
「これは、ハーブティーですね。」
私が呟くとシリウス殿下が
「そうですよ。今朝とれたハーブです」
「そうだったのですね。」
「さてエクレシア・ムーン。
確認したい事は、あの国のことだ。」
「神精国のことですか?」
「そうだ。あの国は長い間閉ざされていた。
そのため、我々にとっては未知の領域だ。
私も一度しか入国出来なかった国だ。
そこの国の泉で怪我を治しているときに一人の少女に出会った。その少女はにこやかに微笑みながら妖精と戯れていた。その少女が何方か教えてほしい。」
「その方をお知りになって
何をされたいのですか?
もうその方は居られないかもしれませんよ。」
国王様のめを見てうったいかけ嘘を言ったり誤魔化したり酷いことをすようなら知らない事にすればいい。
シリウス殿下と兄さんが女神様とのお話しで渡しに関する事の記憶は消したのだから。
国王様が決心したように
「その少女に両国の架け橋になってもらう」
「架け橋と言うことは
人質とするって事ですよね?」
私の心は荒れ狂ってきた。
「……いやそう言うつもりはない。
ただどの様な国か等文化が知りたい。
人質にする気はない。」
私は国王様に向かって冷やかな視線と言葉で
「では何故考える時間が空いたのでしょうか?
本当はその少女を人質とし私を神精国に人質として行かそうと考えたのではないでしょうか?」
「確かにその手もあると思うが…
シリウスの婚約者をそんな粗末に扱うつもりは此方にはない。」
「では、どう言うつもりでその少女を架け橋に
するつもりですか?」
「観光としてきて貰いその間の住まうところをこの王宮で過ごしてもらう。
共に食事をしながらその国の事を教えてもらうつもりだ。」
「神精国の方はどうするのですか?
こちらだけ神精国の内情を知っていて
あちらはこちらの事を知らない。
不満を感じても可笑しくはないと思いますが?」
「……。」
国王様はシリウス殿下と兄さんに
「シリウスどうやってあの国に入った?」
シリウス殿下の後ろで立っている兄さんと目を合わせアイコンタクトをしてから
「それが…偶々神精国の女王様が出てこられて
事情を知ってか知らずかエクレシアを侍女に預けそのままどっかへ行った。」
「お前達はその後どうした?」
今度は兄さんが
「エクレシアが連れていかれた後
女王様が城に案内してくれた。
それで食事や風呂が終わった後女王様と軽く話をして寝た。」
「何を話した?」
「覚えていない。」「覚えていません」
国王様が困惑しボソリと呟いた。
「……肝心なところの記憶が無いのか?
何故記憶が無くなっている?」
今度は私の方へ向いて
「エクレシアは何か知らないか?」
この質問には正直に話した
「いいえ知りません。多分ですけど
その頃気絶していましたから。
その後は気づけば
与えられた部屋で寝ていたので」
「そうか…」
時計を見ると7時になっていた。
話し込んでいたので気づかなかったけど
1時間もたっていたなんてね
国王様も時間を見て
「そろそろ食事にするか。」
「はい、そうですね。
そろそろ朝食のお時間ですものね。」
4人揃ってダイニングに行き
食事を取りながら今日の予定を確認すると
一日お休みだそうだ
食事が終わり部屋に戻りうとすると
「今日の午前中は、さっきの話し合いの続きをするから謁見室に来てくれるね」
何故か渡しにだけ言われた
「畏まりました。後程お伺い致します」
部屋に戻り神精国に伝書鳩出した。
内容は
親愛なる神精国の女王様へ
お忙しいなか申し訳ございません
火急の用件で魔法を使うとばれてしまうので
伝書鳩で送らせて貰いました。
もしもの場合は明星をこちらに来て貰い
私がそちらにお伺いすることになると思います
そうすることでお互いの国の内情を知ることが
出来ると思い送らせていただきました。
また何かありましたらそちらに送ります。
明女より
鳩の姿が見えなくなったのを確認すると
謁見室に向かった
「失礼いたします。エクレシア・ムーンです」
「あぁ、開いている」
「失礼いたします。」
言われる前にソファーに座った
「さて、もうひとつ聞かなくては聞けないことが
出来てしまった。」
「どの様な事でしょうか?」
「エクレシアは、エクササイズ・サイド
本人だろう?息子の秘密日記と書かれた手帳に
書いてあった。」
おいおいばれることだったからもういいかもね
エクササイズ・サイドの姿に変身して
「えぇ、そろそろ何処かでお知りになると思っていましたわ♪ご挨拶が遅れました。私が一国を滅ぼ大地を真っ赤な血の海にしました張本人
エクササイズ・サイドですわ。
以後お見知りおきを」
「聞きたかったのは、
エクササイズ・サイドとエクレシア・ムーン
とは同一人物か?それとも別人か?」
「ふふふ♪同一人物ですわ。
性別と年齢・顔等がばれると直ぐに足がつくもので声や容貌を変え背も体格も変えていますからね
ついつい話し方も変わってしまうのですよ。」
始めは熟女の声だったのを少女の声に変え最後は男性の声に変え話した。
「頼むから容貌は熟女のままなくせい
声だけ男性は気持ち悪い止めてくれ。」
熟女の声に戻して
「あら、ごめんなさいね♪
他にも聞きたいことが有るのではなくて?」
「あぁそうだ。何故あの時この国を滅ぼさず
民や兵・王族・貴族を守った?」
暫く考えてから
「あぁ~あの時ね♪
敵国のやり方が余りにも気に入らなくて…
しかも報酬も要らないものばっかだったからね
それに比べこの国は防御に徹底しているようだから暫くは休憩出来るかなぁてきな思いだったし。
自国を滅ぼすなんて自爆行為にしかならないからね♪私はそんなに馬鹿じゃないのよ♪」
「では、この国が他国へ侵攻していたら?」
「私を使わずに侵攻するならまだ放置かしら♪
私を使ったら滅ぼしていたわ♪」
「神精国の話をしたいから戻ってくれるか?」
「えぇ、構わないわよ♪」
姿を戻し声も戻った
「神精国の話なんですけど…
そこに私のお友だちが居ますの。
その子をこちらに来て貰い
私があちらに1週間行くってことでは
ダメなんでしょうか?」
「それでも構わないが…エクレシアの地位を考えると…。」
「大丈夫ですわ。彼は王子様ですもの。」
「良いのか?」
「はい。構いません。
早速手紙をお友だちに送っておきますわ」
「頼んだ。」
「はい。失礼いたします」
部屋に帰り用意をしていた手紙を取りだし
明星の元に手紙を送ったら。
長くなってしまいました!!
一週間の出来事は一回にまとめます。
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