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ラーンとエクラシア
日が少し差していて霧が微かに出ているなか私は、訓練場に向かって行った。
この頃剣を握ってないから弱くなった気がする。
昨日の手合わせでも兄さんに負けそうになって使ってしまったし…。
はぁ~もっと強くならなくちゃ!!
守られているだけなんて私らしくない!!
そう思って訓練場に来たのは良いけど、誰も手合わせをしてくれない。
私が姿を見せた瞬間、兵士全員私のところに駆け寄り膝をつき隊長格の人が
「姫様、何故この様なところへ?」
何故って聞かれても鍛え直すため何て言えないし…
かと言って今更部屋に戻るなんてことしたら訓練の邪魔になるし…今日は見学ってことにしよう。
少し申し訳ないような気持ちで…
「シリウス殿下の妃となるので皆さんのことを知りたくて来ましたの。許可を取るべきでしたね
急に来て訓練のお邪魔になってしまいましたね。」
謝ろうとしたら隊長格の男の人が
「いえ、謝らなければならないのは私の方です。
私は、第2魔団軍 服隊長 ラーン・ドベウス と申します。」
「私は、エクラシア・ムーン と申します。
お父様は 国王陛下様の側近 お兄様は シリウス王太子殿下の側近をしております。」
周囲がざわついた
「いつもアレックス隊長にはお世話になっております。アレックス隊長はいつもエクラシア様の事を我々にお話ししています。」
えっ…あの文句言いの完璧猫かぶりの兄さんが?
…………きっと何かの間違いね。
「見学していてもよろしいですか?」
「はい。構いません何て言ったって隊長の妹様ですから。何か飲み物をご用意致します。」
「いいえ、これ以上練習の時間を削って貰うわけにいかないのでお気になさらず。」
話ながら椅子に案内された。
私が座るとキリッとした空気が流れざわついた空気が一瞬にして消えた。
魔法の訓練から始まった。
へぇ~なかなか強いじゃない。流石王族の兵士と達だね、第2でこの強さ第1ではどれぐらいの強さかしら?でもこの軍隊は訓練の仕方を少し変えれば、もっと強くなれるわね。次来るときは兄さんがいるときにしよう♪
剣技・剣術の訓練も、中々良い訓練の仕方をしているわね。
この軍は主に魔法士を中心に構成されているわね。
魔法士が圧倒的に多くて剣技・剣術の方は殆んどいない。バランスが良くないわね…だけどこれはこれで良いかもしれない。後の3軍隊がどう構成されているかでかわる。
そんなことを考えていたら朝の訓練が終わった。
ラーンさんが兵を解散させてからこちらに来た。
不安そうな顔をしながら
「どうでしたでしょうか?」
と聞いてきた。
私は構成について聞いてみた。
「魔法士中心に構成されているのは何故ですか?」
「第1部隊が剣技・剣術で構成されていて第3部隊がほぼ魔法士と剣技・剣術士が同じくらいに構成されています。その為第1部隊を補うのがこの部隊の役目です。」
なるほどね…興味が湧いてきたからラーンさんと手合わせをお願いしてみようかしら?
「ラーンさん私と手合わせをしてもらえませんか?
先程の訓練ではラーンさんの強さが分からなかったので。ラーンさんの得意な剣技・剣術で」
驚いた顔をしながら
「ひとつお聞きしても宜しいですか?」
「えぇ良いですよ。」
「剣をお持ちになったことはありますか?」
「?えぇ。持ったことはありますよ。」
「何故私の得意分野を知っているのですか?」
「簡単なことです。私が来たときにラーンさんは私の方を見たときに分かったんです。
魔法を得意とする人は必ずとても薄い感知魔法を展開します。一方 剣技・剣術を得意とする人は気配を察知します。私が来たときは感知魔法はありませんでした。なので剣技・剣術が得意としてるって分かったんです。」
ラーンさんは唖然としていたけど
「…参りました。確かに私の得意分野は剣技・剣術です。お手合わせをお願いします。」
やったぁ!!やっと少しは鍛え直せる!!
「ありがとうございます。」
そう言って上に着ていたドレスを脱いでしたに着ていた戦闘用の服に早着替えした。
木刀を持って戻ってくると、ラーンさんは私を見て驚いた顔をしながら固まっていた。
「?? あの ラーンさん?どうして固まっているのですか?。」
私の問いかけで固まりから抜け出したラーンさんは
「……その戦闘用服はまさか!!13年前に突如現れ7年前に突如現れなくなった エクサイド と言う名で彼女が出た戦は全勝し死者は一人もでなかったと言われている彼女が着ていた戦闘服!!何故お持ちなのですか!?何処にも本物は出回っていないと言うのに!?」
へぇ~彼はそのときの戦に出ていた兵の一人ってことか…違う先頭服にすればよかったかなぁ。
もう既に後の祭りだけどね。
「手合わせが終わったら私の家に来てください。
ラーンさんにお話がありますから。」
ラーンさんは頷いて試合が始まった。
戦い方や魔力の仕込みの早さ等を計りながら肩慣らしをしていた。
「へぇ~なかなか早いじゃない♪
魔力の仕込みの早さ・魔力量・剣技も 服隊長だけあって今まで戦って来た方々と違うわね。」
「お褒め頂き恐縮です。」
計測終わったからもう良いや。
少し魔力を流し木刀を弾き首元に木刀を当てた。
「…参りました。」
「ふぅ~ありがとうございました。」
そう言って部屋に戻りお風呂に入ってからシリウス殿下の元に行った。
「シリウス殿下、エクラシアです。入ってもよろしいですか?。」
「良いよ。入っておいで」
「失礼します。」
ソファに座り置かれた資料をさっと目を通し鞄に資料を入れシリウス殿下に
「今日は家に帰ります。夜までには戻るのでご心配なく。」
公務室から出ようとすると
「エクラシア。朝から訓練お疲れ様」
「知っていたのですか?」
「うん、見ていたよ。それと敬語と殿下のって呼ぶの止めてって言ったよね?」
止めるまで行かせてくれないだろうから
「……シリウス 通らせて。」
何だか恥ずかしいじゃない。何で心臓が高鳴っているの?
「うん。良いよ♪」
うぅ~シリウスの声が甘い…顔を直視出来ない。
今日の私何か変。
公務室を出て移動魔法で家に帰った。
10分後ラーンさんが来たのでコレクションルームに案内した。
そこには、エクサイドとして貰った物や各国王様からの婚約依頼の手紙が山ほど置いてあった。
その中央に置いてあるソファに座るように言って
紅茶を用意した。
向い側のソファに私も座り
「聞きたいことがあったら先に聞いて。」
回りをキョリョキョリョ見回していたラーンさんは
「どうしてこの部屋に?」
「エクサイドの事を知りたいんでしょ?
それならこの部屋の方が良いかと思って。」
「何故突然表舞台に上がらなくなったのですか?」
「各国が戦を辞めようとしないから…いえ、これ以上民に迷惑がかからないように取った行動が火に油を注いでることに気づいたので姿を消した。」
「そうでしたか…。ありがとうございます。」
「この話は皆さんに秘密でお願いします。」
「それはもちろん!!誰にも話しません」
「約束の印としてこの部屋にある物1つだけ、差し上げますわ。」
「そ そんな 俺なんかに ……勿体ないです。」
「私には要らない物ばかりです。」
「それでは…その…魔法石を下さい。」
「えっ…そんなもので良いのですか?」
「はい。」
魔法石を取りに行きラーンさんに渡した
ラーンさんは喜んでそのまま帰っていった。
魔法石のどこが良いのかしら?
しかもあれは私が作り出して残った物だから場合によったら…その人の体内に入って魔力変換を起こす可能性があるのだけど…
まぁいっか~異変があったら言ってくると思うしね
一休憩していたらドタバタ階段を駆け上る音が聞こえた。
煩いなぁ~誰よやっと魔力回復が終わると思ったのに…。
と思って布団を被り直して丸まっていたら
「エクラシア!!」
布団から出て
「煩いなぁ馬鹿兄さん!!入ってくるときぐらいノックしたらどうなの!!」
「悪い…じゃなくて!!それより今何時だと思ってる!?シリウスに夜までには戻るって言ったよなぁ!?」
「…うん、行ったけど?」
時計を見ると深夜を回っていた。
嘘!?魔力回復でこんなに時間かかってたの!?
「兄さん!!部屋から出て!!着替えるから。」
兄さんが出たのを見て、シャワーを浴びドレスに着替えて兄さんを呼んだ。
「シリウスは兵士を動かしてないよね!?」
「動かしそうになったのを止めた。1時30までに帰ってこなかったら兵士を出すって言ってた。」
「兄さん!!お願い。城門前に移動魔法で連れていって!!魔法回復がまだ終わってないの!!」
神妙は顔をしながら
「分かった。手を出せ」
てをつないで城門前に移動した。
そして兵士を動かそうとしているシリウスの元へ行った。
「シリウス私は帰ってきたから禁急体制を解いて」
そう言うと兵士を解散させて私に抱きついてきた。
「エクラシア、心臓止まるかと思ったよ。
夜までには帰ってくるって言ったのに侍女に聞いたらまだ帰ってきてないって聞いたから、もしかしたらって…。」
恥ずかしいから離れてよ~
「ごめんなさい。魔力回復に時間がかかりすぎていて兄さんが戻ってきたときに時間が過ぎていることに気がついたの。心配駆けて本当にごめんなさい」
「とにかく無事でよかった。魔力回復が遅くなったってことは明日調べるから今日はエクラシアを感じて寝たい良いかなぁ?」
うぅ~甘いでも心配かけたんだから――――
「あぁ~悪いけどここでイチャつくのはやめて貰えるか?」
「イチャついてない!!」
「私の部屋に行こうか」
「うん」
腰にてを回して連れ添うようにシリウスの部屋に向かった。
次の話は多少R18を含む予定です。
いっきに恋心が芽生え始め言葉使いも多少荒いですが気にしないでね。
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