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お嬢様は天才魔法士!? 作者:神子

本編

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王子とエクラシア

朝私は起きてから公務室へ向かって歩いていた。
公務室に行くとアレックスが先に資料に目を通していた。
珍しいこともあるんだなぁ。
「アレックス今日は、やけに早いねまだ7時過ぎだけど?用事でもあるのか?」
アレックスは複雑な顔をしていたがすぐにいつもの顔に戻った。
「いいや、特に用事はないがそろそろ抜け出す頃かなと思って早めに来ただけだ。」
「!?まさか…エクラシアが抜け出すって言うのかい?彼女は逃げだすとは思わないけど?」
何故かアレックスは微笑みながら
「じゃあ賭けをしよう。その賭けに俺が勝ったら休暇を1週間欲しい。」
「では、私が勝ったら1週間彼女と別荘に行くからその間よろしく。」
「…まぁ…いっか、ルールは簡単
エクラシアが脱走するか大人しくしているか。
期間は今日から1週間。
その間に脱走すれば俺の勝ちで、大人しくしていたらシリウスの勝ち。
それと一つ忠告城の砦にそって結界を強めた方がいいぜ。」
「もしも逃げ出したときに分かるようにか…。
分かった今夜のうちにはっておく。」

仕事が終わり私室に戻り早速結界を強めた。

エクラシアが脱走するなんてあり得ないけど…
こんな賭けを仕掛けるってことは、逃げだす可能性が強いってことかな…。
私に言ってくれれば、いつ街に行ってもいいようにするのにね。
やっぱり心を開いてくれないか?

頭をふり邪念を払いベッドに横になった。
いつか心を開いてくれるかなぁ?

朝になりいつものように公務室で外の景色を見ながら休憩をしていたら、私が強めにはった結界に異変をほんの少し感じた。
その異変は、徐々に大きくなっていき結界がほんの一部切り取られたような感じがした。
アレックスを呼びその異変のところへ向かった。
到着すると、私が張り直した結界からエクラシアが出てきた。
私たちを見ると困惑したような顔を一瞬だけして
令嬢らしい振る舞いたに戻った。
彼女は戸惑いを隠しながら
「ど どうして皆さんがこちらに?」
彼女に結界に感じた異変の事を伝えると
驚いた顔をした。
「アレックス、お前の勝ちだ。」
そう言うと彼女は後ろから出てきたアレックスに怒りの眼差しを向けていた。
兄妹喧嘩を止めるため
「アレックスと手合わせをするからエクラシアも来ないか」と問いかけてみた。
アレックスは驚いた声で「はぁ!?」って叫んだが聞かなかったことにした。
兵は先に下がらせておいたので、素の彼女と話すことができた。
道場に向かっている最中アレックスが彼女に
「お前、剣技嫌いじゃ無かったのか?」
その言葉を聞いたとき疑問符が浮かび上がったがすぐに彼女は
「兄さんが勝つことは分かってるから。それに兄さんと手合わせはしたくないから」っていったので納得したが羨ましく思えた。

アレックスと久しぶりに剣技で手合わせをしているとエクラシアからの眼差しを感じた。
彼女は真剣に見ながら飲み物を準備してくれていた。
手合わせが終わると彼女は天使のように可愛く走ってきた。
私に飲み物とタオルを渡してくれた。
そして彼女は私に回復魔法で体力を戻してから。
「私と手合わせをしてください。」
喜びのあまり声がでなくなるところで、ふと思ったことを聞いてみた。
そうすると彼女は
「魔法を使わなければばれることはない。」
と言ってくれた。もちろん断る理由はない。
なんしろ彼女の2つ名は『エクサイド・サイン』
そんな彼女と戦えることが出る。願ったり叶ったりこんな機会は無いかもしれない。
「是非」と返事を返してから中央に行き試合を始めた。
5分も経たないうちに負けた。
強すぎる!!彼女の2つ名は伊達じゃないってことか。
白線の外に出たら入れ替えにアレックスが入っていった。
7分後彼女が珍しく追い詰められた。
そして至近距離で何か混合剣術を発動させた。
アレックスは倒れ込みエクラシアは深刻な顔をしていた。
アレックスを部屋に運び寝かすと、すぐさま回復・治癒魔法を唱え過去の話をしてくれた。

この状況で嬉しいと感じているのはいけないことと思うが彼女が普通に心を開いて話してくれることが嬉しかった。

暫くするとアレックスが目を覚ました。
そして本当の事を知ると
顔を真っ赤にして自室に戻っていった。

「ともかく、目を覚まして良かった。
エクラシアから過去の事を少しだけ聞いたよ。」
「そっか…まぁエクラシアが自分で話したんだからそれだけ、シリウスを信頼しているんだろうな。」
「そうだったら良いけどね。」
「そのうち、素直に甘えるようになるさ」

話を切り上げ私室に戻った。


やっとひと段落ついたので
書きました。
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