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カフカの不条理爆発なおすすめ小説5作読みやすい順に紹介する

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はじめに:20世紀文学の最高峰

あなたにとって20世紀最高の作家と言えば誰ですか?

マルセル・プルースト、ジェイムズ・ジョイス、ヘルマン・ヘッセ、三島由紀夫、アンドレ・ジッド、トーマス・マン、ジョージ・オーウェル、ロベルト・ムージル、魯迅、ヴァージニア・ウルフ、ウィリアム・フォークナー、大江健三郎、アーネスト・ヘミングウェイ、アルベール・カミュ、サミュエル・ベケット、安部公房、ガブリエル・ガルシア=マルケス、トマス・ピンチョン、サマセット・モーム、などが挙げられるでしょうか。

そして、忘れてはならないのがフランツ・カフカ。

世界中の作家に多大なる影響を与えてます。日本の作家も多数影響を受けています。悪夢を見ているような気にさせる作風は、初体験するとかなりの衝撃を受けること間違いないです。

猛毒かつ難解な作品もあるので、この記事ではカフカ未読者に向けて、できるだけ読みやすい順、もしくは読むべき順に紹介したいと思います。

 

目次

 

カフカ略歴

フランツ・カフカ(Franz Kafka, 1883年7月3日 - 1924年6月3日)は、出生地に即せば現在のチェコ出身のドイツ語作家。プラハのユダヤ人の家庭に生まれ、法律を学んだのち保険局に勤めながら作品を執筆、どこかユーモラスで浮ついたような孤独感と不安の横溢する、夢の世界を想起させるような独特の小説作品を残した。その著作は数編の長編小説と多数の短編、日記および恋人などに宛てた膨大な量の手紙から成り、純粋な創作はその少なからぬ点数が未完であることで知られている。

生前は『変身』など数冊の著書がごく限られた範囲で知られるのみだったが、死後中絶された長編『審判』『城』『失踪者』を始めとする遺稿が友人マックス・ブロートによって発表されて再発見・再評価をうけ、特に実存主義的見地から注目されたことによって世界的なブームとなった。現在ではジェイムズ・ジョイス、マルセル・プルーストと並び20世紀の文学を代表する作家と見なされている。

影響を受けたもの
フローベール、ドストエフスキー、ディッケンズ、ニーチェ、トーマス・マン、ホーフマンスタール、グリルパルツァー、ロベルト・ヴァルザー、クライスト、ゲーテ

影響を与えたもの
サルトル、カミュ、ロブ=グリエ、ガルシア=マルケス、サリンジャー、フィリップ・ロス、ペーター・ヴァイス、アンナ・カヴァン、アラスター・グレイ、ミラン・クンデラ、ボフミル・フラバル、J・M・クッツェー、アッペルフェルド、オースター、ゼーバルト、残雪、安部公房、小島信夫、倉橋由美子、村上春樹

フランツ・カフカ - Wikipedia

 

変身

変身(新潮文庫)

変身(新潮文庫)

 

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00OJVMYLY

何はともあれ『変身』から読むべし、です。

巨大な虫に変わってしまう、それが何を示唆しているのか、読み手に委ねられた部分が多すぎるのにも関わらず、作品というかむしろ作者の底知れなさがものすごい凄味を持って襲いかかります。

作品自体は中編程度なので、さくっと読めます。ただし、物語の衝撃は一生忘れないでしょう。

アメリカ(失踪者)

アメリカ (角川文庫)

アメリカ (角川文庫)

 

年上の女に誘惑され愛されたばかりに、両親にやっかいばらいにされたカール少年は故国ドイツを追われアメリカに渡った。やっとのことでニューヨークの伯父にめぐりあい、面倒をみてもらえるようになったのもつかの間、何とも不可解な理由で伯父の家からも追い出される。追放されつづけるカール少年は放浪の旅に出るが……。冒険、裏切り、そして転落――。軽妙に描かれるカフカ的冒険小説。カフカ文学への入門書としても最適な1冊。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01CZALB3W

『変身』の次に読むと良いのが、本作です。どこまで行っても袋小路の先が見えないカフカの世界観が、恐らく最も手軽に楽しめます。

 

未完とされているのですが、初心者の読者には判別がつかないように未完と思わせることすら狙いのうちの一つなのでは、と疑心暗鬼にさせるほど、不条理な悪夢のイメージを引き起こしています。

 

ある流刑地の話

ある流刑地の話 (角川文庫)

ある流刑地の話 (角川文庫)

 

荒涼たる砂漠に組み立てられた奇怪な死刑執行台。無数の歯車と針のついたこの装置でまもなくひとりの男が処刑される。旅人はこの完璧な機械の説明をうけるのだが……。表題作ほか「二つの対話」「観察」「判決」「村の医者」「断食芸人」「ある犬の探究」を収録。ちょっと不気味な傑作短篇集。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01BEQZJOK

『ある流刑地の話(流刑地にて)』が最高にクール。

死刑台という言葉の持つイメージが、読み進めるに連れて過剰に塗り増されていくゾクゾク感がたまりません。短編は切れ味するどいカフカの文章と実はとてもあっていると思います。

もちろん主戦場は迷宮入りさせる長編なのでしょうが、読者的には短編が読みやすくて助かります。読みやすいのでおすすめ。

審判

審判 角川文庫クラシックス

審判 角川文庫クラシックス

 

ある朝、アパートで目覚めた銀行員Kは突然、逮捕される。Kはなぜ逮捕されたのかまったく判らない。逮捕した裁判所もいっさい理由を説明しない。正体不明の裁判所と罪を知らないKのはてしない問答がつづくのだが……。「城」「アメリカ」と長編三部作をなす未完の傑作。

https://www.amazon.co.jp/dp/B009GPM3WI

さて、4本目は『審判』です。このあたりまで来ると、カフカが好きでないと、読み通すのが難しいと思います。悪夢を見続けるには体力がいるということです。

例えば、これは会社へ向かう朝の電車内に読むような小説ではない、ということです。たっぷり時間と心に余裕があるときでないと、悪夢は楽しめません。


物語そのものはゾクゾクするほどおもしろく、やりきれません。また、未完だからと言って、物語の価値は薄まりません。カフカとはそういう作家です。

 

城 (角川文庫)

城 (角川文庫)

 

ある冬の夜。Kという男が、どこともはっきりしないある村にたどり着く。Kは村の近くにある「城」から仕事を依頼された測量師だった。ところが「城」からはなんの連絡もない。村人は外来者Kに「城」への道を教えようとしない。「城」は厳然と存在するのに、Kはどうしてもそこへ到ることができない。やがてKは酒場で働く女と同棲することになるが……。

20世紀文学に異彩を放つカフカの代表的迷宮世界。カフカと同じく惜しくも41歳の若さで世を去った優れたドイツ文学者、原田義人の名訳でおくる。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01CZALBQE

最高におもしろいんです。ずっと迷宮の中にいたいんです。ただし、 読むのがつらすぎる。どん詰まりから一向に抜け出せない主人公が苛立たしいんです。笑 私の周りでも、途中で断念した人は何人もいます。

悪夢の中に入ってしまえば上質な刺激が得られます。第三者には意味のないように思える仕事や、お役所の怠慢や腐敗、権力の誇示、うんざりする悪夢のようなことばかりが出てきますが、似たようなことが現実にもそこかしこにあることに気づくとぞっとするのです。

最悪途中でやめても、いいんです。むしろ物語そのものが未完ですし、少しでも読めば、現実にある悪夢(のようなこと)が見えるようになっていることでしょう。悪夢はあなたの中で続くのです。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

作品の印象だけだと、カフカは相当な奇人がなのでは、といますよね。でも実は、かなり優しい保険局員のおじさんだったようです。一見普通のおじさんがこんな作品を、、、というのを想像すると更に凄味が増しますね。

 

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