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お嬢様は天才魔法士!? 作者:神子

本編

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特異能力者

そして今日は城へ登城する日。

「エクラシア、私たちは先に城へ行ってる。
付き添いは、アレックスが付き添う。」
お父様は兄さんの方へ向き
「アレックス、エクラシアを頼んだ。」

兄さんは、なぜかお父様の頼みを殿下の側近としてこたえた。

「はい。魔法士団体の隊長として、王太子殿下の側近としてエクラシアの兄として…けして逃げないようにしっかり見張ります。」
珍しく兄さんが凛々しく見えた。
でも、逃げないように…って所は失礼だよね~。
「兄さん、失礼です!私は、今更逃げ出そうと思っていなかったのに…。そんな事を言うのなら本当に逃げ出そうかなぁ。」

お父様が、ぼそりと呟いた言葉を私だけは聞き取れた。
「本当に逃げ出さないのなら良いが…
一度同じことを言って逃げ出したからな…」
拗ねたように、言い返した。
「逃げませんから!!そんなに心配なら結界でもはれば良いでしょ!!」
私のこの言葉に、お父様と兄さんは頷き兄さんが私に向かって呪文をかけ始めた。
お母様が、慌てて
「アレックス!やめなさい。貴方も少しは娘を信じてあげて!!」
「ユアリア、エクラシアが自分で言ったことだ。
それに、もし逃げ出したらエクラシアの人生を一生棒にふる事になる。」
「でも…あまりにもエクラシアが不便で…。」

お父様とお母様が話しているうちに、兄さんが異空間魔法を唱えきって馬車に私を乗せた。
その瞬間、私の視界は暗闇の世界になった。
異空間にいても不思議と、お父様やお母様・兄さんの声や表情 全てが普通に見聞き出来ていた。

前回この世界に入ったときは、何も見えなかったし聞こえなかったのにね。

そんな事を考えていたら
お父様が申し訳なさそうに
「エクラシア、本当に悪かった…。
アレックス、後は任せた。」
お母様が泣いているのが見えた。
私は、とっさに
「お父様、謝らないで!!
私の事を考えてくれた結果だって知ってるから。
お母様、泣かないで下さい。
時々帰ってきますから。悲しい顔をしないで。
お城でも会えるのだから。
兄さん、それまでお母様をよろしくね。」

言い終わってから気がついた…。
お父様もお母様も兄さんも驚いた顔でこちらを見ていた。

私変なことを言ったかしら?
余計なことをしたかしら?

お父様が
「……エ エクラシア!!何故だ!?
アレックスの異空間に居るのに、私達の話し声や表情がわかる!?そっちにいたら話せないはずでは…
エクラシア、その空間から出てこれるのか!?」
「???私は兄さんの異空間から出られたことは、ありませんので無理です…。」
「とにかくやってみるんだ!!」

これって、ぼけつ掘ったかな?
誤魔化すことは出来なさそうだし…。
出来たら誰にも気づかれないで居たかったけど…。
しようがないよね。使うか…。

消極魔法を唱え、兄さんの作った異空間から抜け出した。
お父様は、 お前がそうだったのか…って呟き
お母様は 両手で口元を隠し驚いて
兄さんは 硬直状態から抜け出せていなかった。

お父様の反応には驚いたけど、兄さんやお母様の反応は予想通りだった。
やっぱりそんな反応をするよね。
きっと、国王様は 私を王族の監視下に置き
戦争に出ろって言われるだろうね…。
はぁ…ばれたんだからしようがないけど…。
そうなれば脱け出すのも一苦労するだろうし、速めに登城して兵士の数・敷地の広さ・結界の強さ
魔法士の数 を確認しなくちゃね。
さっさと城へ行かなくちゃね。

硬直している兄さんを馬車に乗せ
問い詰められる前に
「お父様・お母様、早く城へ行かなくてもよろしいのですか?私たちは、そろそろ出ようかと思います。」

お父様は、何かを言いたそうにしていたが…
いつの間に、硬直が解けたのか…兄さんの追撃
「親父、エクラシアの気が変わらないうちに…。」
「兄さん、私に失礼でしょう!?そう簡単に気が変わりません。」
はっ!!こんな無駄話をしている時間は無いんだった。

お父様が、分かった 行ってくる。
と言ってその場でお母様と一緒に、移動魔法でお城に向かったのを確認してから馬車を出した。

外の景色を楽しんでいたら
いきなり兄さんが、話しかけてきた。

「エクラシア、いつから俺の異空間魔法から脱け出せるようになった?今まで、誰も脱け出すことが出来なかったのにだ!?答えろ。」
はぐらかす事が出来るか試してみた。
「兄さん近すぎ、それに顔が怖いよ。
せっかくの美形が台無しだよ。」
「わ 悪かった。…って茶化すな!!俺は真面目に聞いてるんだ!!」

ダメか…仕方がないよね?少しだけネタばらし
「分かったよ。答えてあげる。抜け出せた理由はね
5歳の頃に1度だけ私を異空間に閉じ込めた事が合ったよね。」
「あぁ…誤作動で閉じ込めてしまったな。」
「その時にどうやったら脱け出せるか、いろいろと間試してみたんだ。
その中に瞬間移動魔法を使ってみたらどうなるかなぁ~って考えたの。
そして、出てから異空間に似た情況を作り出しやってみたの。そうしてるうちに、消極魔法が出来た。
魔法量が少なく他人に気づかれる恐れがない、そんな魔法を開発した。」
「まさか!!俺の異空間から脱け出せたのも…」
「そうよ。消極魔法を使ったの。」
「エクラシア、さっき『異空間魔法に似た空間を作り出した。』って言ったか?」
「……う うん、そう言ったけど。」
「エクラシア、お前は特異能力者か?」
「…えっ!!違うけど…ドウシテそう思ったの?」
「俺の異空間と似たような空間を作れるのは、特異能力者の『フルコピー』だけだ。フルコピーは、一度見たり体験をすると使えるらしい。
それを改良したり刷ることが出来る。」
「何で、そんな事を知ってるの?」
内心冷や汗が止まらなかった。
「教科書に乗っていた。」
「そうなんだね。」
外に視線を向けると
お城に着いたところだった。
侍女達が右側に1列で並び 反対側には魔法士や兵士達が真ん中を空けるように並んでいた

「兄さん、着いたみたいね。」
「そうだな。降りるぞ。」
そう言って兄さんは先に降りて、手を差し出してくれた。
その手を持って馬車から降りた。
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