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エクラシアの疑問
そして金曜日になった。
いつも通り……にはいかないけど
何で、護衛が10人以上も着いてくるのよ!?
しかもお兄様まで!!完璧に見張られてる。
ゆっくりと、お話ができないじゃない!!
まぁ、結界で身を隠したら良いだけなんだけどね♪
そうとう疲れるねきっと……。
お気に入りのお菓子を売っているお店で
紅茶クッキー・シホンケーキ・タルト・パイ
を叔父さんに注文をして家に持ち帰る用とシリウス王子にお渡しする物と別てもらい、噴水のある公園へ向かった。
少し速かったかしら?
そう思いながら噴水に近付くと
あと日と同じ様に他のチンピラに囲まれている
シリウス王子を見つけた。
会う度に囲まれてるのは、何でかな?
しかも、よりによって護衛が着いてきてる今日に…シリウス王子に向かって喧嘩売ってるし…。
後ろの方で殺気が混じってきたのがわかった。
これって…絶対に私が止めなきゃいけないよね…。
はぁ~、勘弁してよ…
引き返そうとしたが、諦めてシリウス王子の元へ
向かって歩きだした。
シリウス王子に近づきシリウスが私に気づいた。
私は、目礼をしてからチンピラと王子の間に入りチンピラの方を向いて冷たく言葉を発した。
「どうして、このお方を囲っているのですか?」
リーダーぽい体格の良い男性が
「お嬢ちゃん、怪我したくなかったらそこを退きな
この男は俺らに喧嘩を売ったんだ。
それを買って何が悪い。分かったら、そこ退きな」
さっきより殺気が強くなってきた。
うぅ~頼みますから、これ以上手間をかけささないで欲しい…。平和に終わりたいのに…。
しようがないけど、相手が使ってきたら実力行使するしか無いよね…。
その場に立ったまま下手に出て
「お願いですから、争いはお止めください。」
そう言うと、男は
「売られた喧嘩を買うのが、俺らの主義だ!!
退かないのなら、遠所なく攻撃するまでだ。
こっちは、忠告したからな!!」
「はぁ~、女性に負けたと恥をかきたくなければ直 ちにお帰りなさい。
私もご忠告致しました。それでもやるならどうぞおやり下さい。」
私は後ろにいる王子に小声で
「暫くお待ちください。さっさと、片付けますのでこちらのお菓子を食べてお待ちください。」
シリウス王子が
「これは、私が悪かったので私が自分で戦います。それに、女性に護られるなんて恥ずかしいですし」
小声で言い聞かせるように
「シリウス王子、貴方様が魔力をお使いになられたら本性がばれてしまいます。それにこうして、町でお逢いすることも出来なくなります。
なので、私にお任せください。」
納得がいったのか
「お願いします、怪我はしないように。」
微笑んで
「はい。仰せの通りに。」
そう言って、チンピラの方へ向き直った。
それが合図で、決闘が始まった。
護衛が出てきそうになったので、眼で釘を差し攻撃に備え防御魔法を張った。
弱い魔法ばかりで防御するのもどうかと思ったけど…王子が後ろにいるから、流れ弾が当たるといけないし…それに見張られているから、派手に魔法は使わない方が良いよね。でもそろそろ終わらさないと、話が聞けなくなるよね。
水魔法で手首を止め、光魔法で気絶させた。
ふぅ~こんなもんかな♪
忠告を聞いていたら、こんな痛い目に合わなくて済んだのにね。
シリウス王子が
「お疲れ様、そこのベンチに座って本題を話そうか
それと、絡まれた理由もね。」
私は、外から中が見えない・聞こえないように結界をはりシリウス王子の前に膝まずき頭を下げて
「申し訳ありません。私が先に居るべきでした。」
「頭を上げて。」
言う通りに頭を上げると、シリウス王子が苦笑いをしながら
「できたら、普通に接して欲しい。貴女とは対等に居たいから。」
私は、立ち上がり
「…分かりました。それで良いと言うのならば。」
王子は、「ありがとう。」って言うと
私の背中に手を回し、ベンチまでエスコートしてくれた。勿論、結界もそれに合わせて動かした。
「絡まれた理由はね。余所見をしながら歩いていたら彼らに当たってしまって、謝ったんだけどね…
私が喧嘩を売ったって言い出してあの情況になっていたんだ。そこに、エクラシアさんが来てくれたって訳さ。」
「そうだったんですか。」
「次は、本題だよ。
エクラシア、君は 私の正体をもう知っているよね」
知らないとは、言わせないよ みたいな眼差しで私を射抜くように見てきた。
素直に
「はい、存じ上げています。
シリウス・ライト 王太子殿下様。
いつも、お兄様がお世話になっております。」
微笑みを浮かべながら、
「君は、何回か魔法戦争に参加していたよね?
あの 天才魔法士 、《エクサイド・サイン》と言偽名で。あの時使われていた魔法は、貴族ならば知っているよね?」
冷や汗が流れた。これこそ、背筋が凍る思いだ。
動揺を隠しながら
「はい、存じ上げています。
1つ目の魔法は 先程私が使った相手の意識を刈り取る…光魔法。その魔法名は意識を刈り取るので
《蕾切》(ライキリ)と呼ばれ
2つ目の魔法は 水魔法で、陣を書かさないように
手を結ぶので《水錠》(スイジョウ)と呼ばれています。
その2種類の魔法で、勝利をもたらしたとか。」
シリウス王子は、見惚れるほど綺麗に微笑みながら
「その通り。その魔法は、敵国の王子が一度使いそして我が国では初めて使ったのが…
《エクサイド・サイン》と言う名の女性だ。
その女性は姿を消し戦場には戻ってこなかった。
その魔法は、敵国の王子と天才魔法士の由縁をもつ
《エクサイド・サイン》の2名しか使えない魔法だ
それを使えるってことは、君があの……」
最後の王子の言葉を消すように
「それより、私を呼び出した理由は何ですか?」
素で話しかけた。
シリウス王子も
「そうだった。私は、エクラシアの事が好きになった。私の妃になって欲しい。」
真剣に告白してくれたけど、私のどこが気に入ったのか分からない。
それに、1回会っただけじゃない。
素直に聞いてみた
「どうしてですか?シリウス王子ならば、美しい女性を選べるでしょう?それに、私のどこが気に入ったんですか?」
シリウス王子は、熱いまなざしで
「エクラシアの強いところや、誰にでも優しい所
笑顔が可愛い所――――――。」
真っ赤になりながら途中で止めた
「もう、分かりましたから!!止めてください。」
「まだ、言い切れていないのに…」
しゅん とした子犬の様な眼で見られると、受け入れるしかないじゃん!!
「わ 分かりました。婚約を受け入れます。」
花が開くようにシリウス王子は、明るくなり
「じゃあ、準備が完了したら城に来てください♪」
「分かりました。…」
「それと、隠さなくてもエクラシアの事は調べて
知っています。
貴女が、エクサイド って言うことも 特殊魔法士
だって言うことも…なので安心してください。」
い…今、何て言った!?私の正体をもう知っているって言った!!
「……そ それでは、家に戻り準備をします。
シリウス王子、失礼します。」
「うん。待ってるよ。」
シリウス王子は、移動魔法でお城へ戻ったみたいなので…私も、結界を解いて移動魔法で家に帰った。
帰ってからは、いろいろと質問攻めに会った。
「エクラシア、お前途中から結界を張っただろう
しかも強力な!!」
「ご ごめんなさい、お兄様…」
「エクラシア、それでどうしたの?シリウス王子との婚約は…」
「…えぇ、受けることに致しました。」
お母様が安心したように
「そう…良かったわ♪」
お父様も
「シリウス王子なら安心だな。」
って言って盛り上がっていたが、私はそれどころでは無かった…。
自室に戻り、繰返し考えていた。
なぜ、シリウス王子が私の特殊魔法の事を知ることが出来たのか?
例え、特殊魔法が私だと知っていたら
エクサイドと私は繋がらないはずなのに!?
どうして、2つともばれてしまってるの?
私の頭の中はその事で一杯だった…。
そして、2日後登城することになった。
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