韓米両国が8日、THAAD(高高度迎撃ミサイル)の韓半島(朝鮮半島)配備を公式発表したことで、北東アジア情勢が揺れている。中国の強い反発は、昨年9月の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領による「天安門楼閣外交」で頂点に達していた韓中関係を過去のものにしかねない、という懸念が出てきた。南シナ海の領有権問題で米中対立が激化する中、THAAD配備が重なったことにより、「韓米日対朝中ロ」というかつての対決の構図が再現されるだろう-という見方も出てきている。韓国外交が新たな試練に直面しているわけだ。
朴大統領は昨年9月3日、中国の習近平国家主席と共に天安網の楼閣に上がり、韓国の大統領としては初めて中国軍の対日戦勝記念軍事パレードを参観した。自由民主主義陣営の首脳としては唯一の出席者だった。しかし8日のTHAAD配備発表で、「過去最高」だった韓中関係は、わずか10カ月で重大な局面に臨むことになった。中国人民大学の時殷弘教授は「当分は、以前のような良い韓中関係を期待するのは難しいだろう。中国は今後、北朝鮮との関係改善に乗り出すと思う」と語った。国家安保戦略研究院のパク・ビョングァン北東アジア研究室長は「アジア・太平洋地域における『安全保障のてんびん』が米国側に傾いている状況で、中国は『バランス取り』のため北朝鮮を抱き込む方向に進むだろう。朝中友好協力および相互援助条約の締結55周年(7月11日)や停戦協定締結日(7月27日)に合わせて、両国が密着する姿を見せることもあり得る」と語った。
中国が韓国に報復するという懸念に関して、時殷弘教授は「中国が今回のことで経済的報復を行う可能性は高くない。中国は、両国の経済協力が互いの利益になることをはっきりと認識している」と語った。その一方、北京の外交消息筋は「中国には『君子の復讐は10年経っても遅くない』という言葉がある。中国には、経済のほかにも北朝鮮制裁、脱北者の取り扱い、中国漁船の取り締まりなど韓国を困らせるカードが多い」と語った。中国人観光客の韓国旅行減少も、韓国にとっては痛手になりかねない。今年の年末に日本で開かれる予定の韓中日3カ国首脳会談も、中国がTHAAD配備などを理由に微温的態度を取った場合、開催は容易ではないという見方も出ている。