18、19歳の新有権者のみなさん、きょうは参院選の投票日です。70年ぶりに選挙権年齢が引き下げられ、新たに240万人の18、19歳の人が有権者になって迎える初の国政選挙です。せっかくの権利を無駄にしてはもったいない。ぜひ、投票に行ってほしいと思います。

 「自分に関係ない」「投票したって変わらない」という声も聞きます。そうでしょうか。

 政治家の仕事の一つは税金の使い道を決めること。選挙は、その重要な役割を誰に託すかを決める機会です。

 仕事すれば給料をもらい、税金が引かれます。民間企業で働く20代前半の平均年収(約250万円)だと、所得税が約4万円、住民税が約9万円になります。買い物のたびに8%の消費税も納めますね。このお金を「おまかせ」でいいですか。

 先月、英国の国民投票が大きなニュースになりました。投票の結果、欧州連合(EU)から離脱することになったのです。

 国のあり方を投票で決めるのが民主主義です。一票一票の積み重ねが、みなさん自身の未来にかかわってきます。この参院選は、憲法改正に前向きな4党が、発議に必要な3分の2議席を占めるかが焦点です。歴史の転機になるかもしれません。

 どの党の誰に投票すべきか、悩む人も多いようですね。

 参院選は3年ごとにあります。まず3年先の自分のくらしを想像し、政治にかかわる課題を考えてみませんか。

 高校生なら、3年後は進学か社会人か。大学・短大の場合、学生の半数超が奨学金を受け、卒業後の返済の厳しさが問題になっています。

 大学や専門学校に入りたてなら3年先の関心は就職先でしょう。いま学生の就職率が好調ですが、一方で働く人の約4割が非正規雇用です。望んでも正社員になれない人が多くいます。

 できれば5年、10年、20年先も想像してみてください。

 経済的な余裕がなく、なかなか結婚できない。保育所不足で子育てが難しい。みなさんが直面するかもしれない現状です。

 こうした課題をどう解決するか。各党の公約を比べ、家族や友達とも話し合い、よりよい選択を考えるのも一案でしょう。

 18、19歳のみなさんは将来を担う世代のトップランナーです。投票する人が多いほど、政治家は若者の思いを軽視できなくなります。そして票を投じた相手が期待にこたえているか、選挙後も見届けてください。それは、政治をみなさんに近づける大きな力になるはずです。