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米韓配備に対抗か

 【ソウル米村耕一】北朝鮮が9日、北東部・咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)市東北方面の日本海上で行った潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に関し、韓国軍は「(潜水艦からの)射出そのものは正常に行われた」と明らかにした。聯合ニュースによると、ミサイルは空中でのエンジン点火に成功したが、高度10キロ付近で爆発したと推定される。飛行距離は数キロ程度だった模様だ。

     北朝鮮が4月23日に行った発射実験でも、SLBMと見られる飛翔(ひしょう)体が約30キロ飛行し空中爆発した。この際、国営朝鮮中央通信が「実験に成功した」と報道したのに対し、韓国軍は「実戦配備にはまだ遠い」と指摘していた。

     北朝鮮は昨年もSLBMの発射実験を繰り返しており、徐々に技術水準を上げていると見られる。SLBMは陸上から発射するミサイルに比べ発射兆候の探知が困難で、北東アジアでミサイル防衛(MD)システムの展開を進める米国にも将来的な脅威になりうる。韓国軍は「早ければ2〜3年以内に実戦配備が可能」と警戒している。

     北朝鮮は米政府が今月6日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を制裁対象に指定したことを受け「超強硬の対応措置」(7日・外務省声明)を取ると宣言していた。さらに8日には米韓が北朝鮮の弾道ミサイルに対抗するため終末高高度防衛(THAAD)ミサイルの在韓米軍への配備を決定していた。今回の実験は、米韓に対する反発を行動に移した形だ。

     THAAD配備は中国やロシアも反発、米韓対中露の構図になっている。北朝鮮は今回の実験への中露の反応を見極めつつ、両国を巻き込んで米国への対抗策を模索する可能性がある。

     というのも、北朝鮮がミサイル発射に政治的意図を絡める姿勢を鮮明にしているからだ。党機関紙・労働新聞は9日、北朝鮮が6月22日に発射した中距離弾道ミサイル「ムスダン」(北朝鮮は「火星(ファソン)10」と命名)について、「米国に対(北)朝鮮政策を根本的に変更せよという警告の意味も込められている」と強調。「もし米国が正しい選択をできない場合、我々の核攻撃能力は質的・量的により強化されるしかない」と警告した。

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