結腸がんの再発リスク 遺伝子から予測に成功

毎年9万人近くが発症する結腸がんについて、手術後の再発のリスクを患者の遺伝子から予測することに成功したと、国立がん研究センターなどが発表しました。
この研究を行ったのは、国立がん研究センター東病院消化管内科の吉野孝之科長などの研究グループです。
グループでは、国内の結腸がんの患者630人の遺伝子を調べ、一人一人の遺伝子の変化と再発のリスクとの関係を詳しく分析しました。その結果、1から100までの数値で再発のリスクを評価することに成功したということで、数値が25ポイント上昇すると、手術後5年間の再発リスクが2倍になることなどが分かったということです。
また、これまで再発のリスクは、1から4までのがんのステージで主に見ていましたが、ステージ2の比較的早期のがんでも評価のポイントが高い場合には、再発のリスクが高まることなどが分かったということです。
結腸がんは、再発予防のため手術後に抗がん剤治療が行われることがありますが、その種類によっては、手足のしびれや痛みが長期間続く副作用も報告されいて、研究を行った吉野科長は「副作用の強い抗がん剤を使うべきかどうかなど、重要な情報になると思う。今後広く医療現場で使えるようにさらに研究を続けたい」と話しています。