小規模コートを割り振られたヴィーナス、ウィンブルドンに男女平等訴える
2016年07月01日 15:53 発信地:ロンドン/英国
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【7月1日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)は30日、女子シングルス2回戦が行われ、大会第8シードのヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)は7-5、4-6、6-3で予選を突破したマリア・サッカリ(Maria Sakkari、ギリシャ)を下した。
この日、意外にもオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club、AELTC)の18番コートでプレーすることになったヴィーナスは、大会スケジュールの作成者に対し、ウィンブルドンで通算5度の優勝を誇る実力者にありながらアウトサイドコート(規模の小さいコート)に追いやられたことについて、男子の王者と同等の敬意を示してほしいと訴えた。
元ウィンブルドン女王のマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova、チェコ)氏は、このスケジュール変更を知り、「お粗末だ」とツイッター(Twitter)に投稿している。
36歳のヴィーナスに続き、今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)女王で第4シードのアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)が18番コートでプレーする一方で、錦織圭(Kei Nishikori)とジュリアン・ベネトー(Julien Benneteau、フランス)の試合は、四大大会(グランドスラム)では一度もタイトルを獲得していない選手同士の対戦カードでありながら、センターコートで行われた。
ウィンブルドンではセンターコートに次ぐ規模の1番コートでは、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)とジル・シモン(Gilles Simon、フランス)の試合と、ドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)とイリ・ベセリ(Jiri Vesely、チェコ)の一戦が行われたが、いずれもグランドスラムのタイトルとは無縁の選手となっている。
対照的にグランドスラム通算7勝の実績を持つヴィーナスは、メジャー大会では最後に男女平等の賞金額を設定したウィンブルドンの責任者に対し、どこのコートであろうとプレーするのに文句はないとしながらも、この大会では女子よりも男子が優遇されていると訴えた。
「女子選手にとって、満足のいくスケジュールとは言えません。試合には平等の価値を与えてほしい。それ以上は求めていません。同等の価値、それだけです」と強調したヴィーナスは、過去にウィンブルドンで5度も優勝している男子選手が、規模の小さいコートで試合する姿を想像できるか問われると、「そういうスケジュールは、お目にかかったことがありませんね」と笑いながら答えていた。
「非礼な扱いだと言っているわけではありません。アウトサイドコートでプレーしなければならないなら、全員がそうあるべきだと思います。男子と女子の間で、例外とか不平等があってはなりません」
「私は何度もアウトサイドコートでプレーしてきました。何度タイトルを獲得していようが、その時点で何位にいようが関係なくです。アウトサイドでもセンターコートでも、私がプレーする場所に、そのことはまったく関係ありませんでした。申し上げた通り、私はどこでプレーしようと気にしません。全員が平等にアウトサイドコートでプレーする限りは」
■追いやられたヴィーナスにマレーも同調
ヴィーナスの主張には、男子世界ランク2位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)も同調している。
この日いつも通りにセンターコートでプレーしたマレーは、ヴィーナスがアイトサイドコートに追いやられたことに驚いたと認め、「ああ、少し驚いたよ。男子では過去の王者が18番コートでプレーするなんてあり得ないだろう」とコメントした。
「ファンに最高の試合をみせるために、全体的には素晴らしいスケジュールが組まれている。ただ大きなコートでビッグネームに試合させることより、その日最高の試合が組まれるように、大会側も考慮しているはずだ」
(c)AFP/Steven GRIFFITHS