観光客の心つかめ! 京都タワー大変身中
京都のランドマーク、京都タワー(京都市下京区)が変貌している。夜間点灯の照明をLED(発光ダイオード)に変えたのに続き、上空から望む社寺や観光施設を画面で案内する装置を展望室(有料)に導入した。展望室の来場者は外国人旅行客の増加で2015年度には念願の50万人を突破しており、「ハイテク化」でさらなる集客を狙う。
地上100メートルの展望室で、来場者が眼下に広がる風景と手元のモニターに映る空撮画像を見比べる。清水寺や金閣寺、二条城などの主要観光スポットを指で触れると、施設の写真と説明文が表示された。
「上空からの情報発信」を掲げ、展望室に8台設けたタッチパネル式の観光案内モニターだ。幅142センチ、縦88センチの大型画面にはハイテク機能が詰まる。
スマートフォンを操作するように指で画像をずらせば、目の前の風景を起点に左右180度の範囲を見られる。掲載する51施設の説明表示に加え、一部は地上からの眺めを写真で楽しむ「デジタルズーム機能」も搭載した。英語、中国語、韓国語にも対応する。
「見やすいし、位置や情報も正確に分かる。何だかわくわくします」。奈良県香芝市の主婦西場千夜子さん(46)はパネルを操作しながら声を弾ませた。
京都タワーは3月にライトアップ用の照明をハロゲン灯からLEDに置き換えた。白、青、赤、ピンクなどの光を瞬時に切り替えられる。点灯式で次々に移り変わる姿が市民を魅了した。
外観だけではない。今年に入ってマスコットキャラクター「たわわちゃん」を描いた飾りを展望室の壁面に設置。床面は四神や花をデザインした新カーペットに張り替えるなど、華やかな装いに変身している。
積極投資の裏には、来場者の増加がある。訪日外国人が総数を底上げし、15年度は前年度比11・7%増の52万2千人に伸びた。50万人を超えるのは、1995年度以来20年ぶりという。うち外国人は1・8倍増の8万8千人で、来場者に占める割合は17%に広がった。
タワーの小川雅人社長は「『京都に着けば、まず京都タワー』と言ってもらえるような情報発信の拠点を目指したい」と話す。
【 2016年07月09日 19時04分 】