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自民、公明など「改憲4党」の議席が非改選を含め、3分の2に迫る勢い――…
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自民、公明など「改憲4党」の議席が非改選を含め、3分の2に迫る勢い――。参院選終盤の情勢を報じる新聞各紙の記事はほぼ一致している。
「3分の2」が衆院に続き参院でも実現すれば、70年前に公布された現憲法のもとで初めてだ。憲法改正の国会発議が、いよいよ現実味を帯びてくる。
この選挙は歴史の岐路になる可能性がある。それなのに、与野党の論戦はかみ合っているとは言えない。
だからこそ、あすの投票日を前に、有権者の「知る義務」について考えてみる。
よく言われる「知る権利」ではない。「義務」である。憲法学者の樋口陽一さんの言葉だ。
「主権者として公のことがらの基本を動かし、未来への責任を果たすため、国民には問題の所在を『知る義務』がある」
東日本大震災で、原発の安全神話にだまされていたことを知ったのをきっかけに、そう確信したという。
では、参院選で有権者は「知る義務」を果たせただろうか。少なくとも憲法改正については簡単ではなかったはずだ。
なにしろ、安倍首相自身が語らない。連日の街頭演説では触れていない。公示前後の党首討論会で問われると、「条文をどう変えるかを決めるのは選挙ではなく、国民投票だ」とかわす。さらなる党首討論会を野党から求められても応じない。
先の国会で「参院選でしっかり訴えていく」と意欲を示していたのは何だったのか。
確かに憲法改正には国民投票による承認が必要だ。だからといって、選挙で語らないでいいはずがない。むしろ国会で論じあう代表をえらぶ選挙でこそ、開かれた議論が欠かせない。
改めて思い起こそう。特定秘密保護法も、解釈改憲の末の安全保障関連法も、政権は直前の選挙であまり語らぬまま、多数を得た国会で押し切った。
この選挙は「二度あることは三度ある」のか、「三度目の正直」なのかが問われている。今度こそ、有権者ひとりひとりが「知る義務」を果たそう。
たとえば、自民党の改憲草案が、いかに権力への縛りを緩めて、国民を縛る内容か。個人の権利より、どれだけ「公の秩序」を重視しているか。
首相は「(草案が)無傷でいくとはおそらく自民党の誰も考えていない」という。だとしても、草案には自民党がめざす国や社会の姿が描かれている。
それを支持するのか、しないのか。あすの一票の確かな判断材料になる。
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