連続テレビ小説 とと姉ちゃん(84)「常子、出版社を起こす」 2016.07.09


(美子)とと姉ちゃん。
(常子)うん?ちょっとこれ見てよ。
(鞠子)何よこれ…。
(君子)「スタアの洋服」。
随分似た本ね。
似てるんじゃないです。
きっとまねしたんです。
えっ?ああそうだろうね。
売れたってうわさになった本はすぐ似たような本が出るから。
(君子)あら…。
「スタアファッション」。
「スタアの着物」。
「スタアの彩り」。
「ファッションは装ひ」。
敵も考えるわね。
これなんてひどいですよ。
(一同)「装ひのスタア」!?逆さにしただけじゃない。
もはや意味も分からない。
あ…まねされるなんて光栄じゃない?こっちが元祖なんだもの自信持って売りましょう。
(3人)はい。
「スタアの装ひ」です。
「スタアの装ひ」です。
手に取ってご覧下さい。
是非お願いします。
「スタアの装ひ」です。
いかがですか?「スタアの装ひ」。
これさえあれば…。
ああ似たようなの買ったからいいよ。
私も。
でもこの雑誌が元祖なんです。
そんなこたぁ知らないよ。
いくらなの?7円です。
(2人)7円?この前買ったのは4円だったよ。
(2人)高いわねえ〜。
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
ひとつきたっても増刷した「スタアの装ひ」は僅かしか売れていませんでした
…1516。
全部で716冊。
ほとんど残っちゃったね…。
まねされちゃったから…。
最初は売れたんだもの。
それだけじゃありません。
私の管理の甘さのせいです。
(君子)そんな…。
安くしようと仙花紙を選んだのは私ですから。
まさかこんなにボロボロになる紙だったとは…。
どうする?とと姉ちゃん。
悪評も立っちゃったし2冊目を売るのは1冊目の時よりも大変だと思う。
そんなに甘くなかったって事よね。
立ち止まるなら今しかないんじゃない?次失敗したらお金本当に無くなっちゃうよ。
お帰りなさい。
(一同)お帰りなさい。
(鉄郎)おう。
じゃあな。
えっちょ…待って待って。
えっえっえっ?どうしたんですか?突然。
すぐ舞鶴行かなきゃなんねえんだ。
新しいビジネス始めるんでよ。
えっえっジーンズは?こっちで一山当てるんでしょ?そのつもりだったんだけどよ俺の方も失敗しちまった。
えっ。
仕入れのために大金払ったあとで進駐軍の元締めがMPに捕まっちまってよ。
はぁ〜大もうけできそうだったのにな。
クソッ。
そいつも売れる時に値引きしてでも売り尽くした方がいいぞ。
今舞鶴は引き揚げ船の港としてにぎわってるらしい。
そこで今度こそ一旗揚げてやる。
叔父さんお金…。
金?お借りした資金まだ返せてません。
いいよ。
今返しちまったら次の本が作れなくなるだろ。
でも…。
常子鞠子美子。
諦めねえでもう一度出せ。
俺は当分東京には戻らねえ。
俺のいるとこの本屋にも置かせてもらえるような雑誌作ってくれ。
見つけたらすぐさま電報打つから。
な?
(三姉妹)はい…。
達者でな。
気を付けて…。
行っちゃった…。
何だかんだ言っていないとさみしくなるね。
そうそう。
この1年叔父さんがいてくれて心強かったわ。
そうね。
男の人がいるのといないのでは違ったのでしょうね。
常子?どうしたの?あと1冊頑張ってみない?もう後はないけど…やるだけやってみよう。
うん。
うん。
頑張りましょう。
私も何でも手伝うからね。
(3人)ありがとうございます。

(五反田)あの子自分で出版社を作るそうです。
「スタアの装ひ」だったかな。
(花山)なあ君。
いらっしゃい。
「スタアの装ひ」って本はあるか?「スタアの装ひ」?え〜どこだったかな…。
あっそうそう。
なぜそんな所に置いてある?いや〜ちっとも売れなくて引き取ってもらおうと思ってね。
値段は高いわ紙の質は悪いわですぐボロボロになっちゃうってうわさが広まっちゃってよ。
まあそうなったらもう誰も買わないよ。
あっあったあった。
あんた買うのか?ああ。
7円だよ。
はい。
ちょうど頂き。
(谷)そうか…そんなに売れ残ったのか。
ええ…。
あ…小橋君申し訳ない。
えっ?もう新しいやつを雇ってしまったんだよ。
だから君を受け入れる余裕が…。
あっあっいやあの…そういう相談ではなく2冊目を作る上で何か助言を頂けないかと。
あっそういう事?はい。
あっそういう事か…。
えっ?
(五反田)この前も言ったけど女性向けの雑誌は僕らも詳しくないからね。
何でもいいんです。
何かありませんか?もう失敗できないんです。
だが…女性目線の雑誌など皆目分からんのだよ。
(相田)そうなんですよね。
我々の目から見たら悪くない誌面の気がしたんだけど…。
(富樫)いやそもそも我々の目が社長によって培われたものだし。
ねえ。
何だよその言い方。
えっ?何だ…俺が悪いのか?いやいやめっそうもない!「餅は餅屋」って事ですよ。
どうせ助言もらうなら別の人がいいんじゃないかな。
そうですか…。
ありがとうございました。
失礼します。
常子君。
あ…はい。
あの人に相談してみろよ。
あの人?花山伊佐次。
会った事あるだろ?花山さん…。
あっ内務省にいた方ですよね。
そう。
帰れ。
邪魔するな。
ですから…。
帰れ。
邪魔するな。
3度も言わせるな〜!そう。
その花山さん。
私あの人どうも苦手で…。
いやまあ正直な人なんだよ。
でも花山さんって挿絵を描く方ですよね?だけじゃない。
あの人はもともと帝大新聞の編集長だったんだ。
うちの編集長がへそを曲げるとやっかいだからさっきは言わなかったんだけど花山さんってのは絵も文章も編集の力量も業界じゃ有名だったんだぞ。
へえ〜。
だから宣伝標語で内務省からお呼びがかかったんだ。
ああ…。
いやでもあの方はちょっと…。
確かに行動は自分本位だし発言は歯に衣着せぬので傷つけられる事も多いよ。
でもねあの人の女性への目線は男性から女性を見た視点ではなくどことなく女性側の視点で見ている気がするんだ。
あの方がですか?ああ。
花山さんが書いた文章や挿絵なんかからそんなにおいがするんだよなあ。
ああ確かにあの方の挿絵は好きですけれど…。
きっと君の作ろうとしている雑誌をよりよくしてくれるはずだ。
これ。
訪ねてみてごらん。
はい…。
2016/07/09(土) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(84)「常子、出版社を起こす」[解][字][デ]

常子(高畑充希)の雑誌は、瞬く間に闇市で類似品が出回り、売れ残る。失敗の原因を探るため、谷(山口智充)を訪れると、花山(唐沢寿明)に聞いてみたらと助言され…。

詳細情報
番組内容
大成功を収めた常子(高畑充希)の雑誌『スタアの装ひ』。増刷をかけ闇市に出かけると、そこには似たような名前の雑誌であふれかえっていた。焦って売る常子たちだが、類似品よりも値段が高く紙質も悪いため、大量の在庫を抱えることに。落ち込む常子たちに、鉄郎(向井理)はもう一度頑張れと促して去る。常子は失敗の原因を探るため、谷(山口智充)を訪れると、かつて内務省にいた花山(唐沢寿明)に聞いてみたらと助言される。
出演者
【出演】高畑充希,相楽樹,杉咲花,木村多江,向井理,及川光博,山口智充,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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