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大阪府警を悩ます「ある事情」…最下位レベル「給与」落ち込む「応募」必死の人材確保
府警が力を注いだのが、もともと「面白い」と定評のあった募集ポスターを目立たせることだった。
《ごめんですんだら警察いらんわ!!》
23年度のポスターは泣き顔の男児を背景に、こんなキャッチコピーで目を引いた。「まずポスターを見てもらわないといけない」(別の府警幹部)との狙いがあった。
府警警務課の採用担当者は「受けを狙っているわけではない」と否定するが、昨年のポスターも現役の機動隊員が6つに割れた見事な腹筋をさらした話題作。キャッチコピーは当時の流行語「草食男子」をもじって、こう攻めている。
《草食系より大阪府警。》
「一芸」96人が合格
挑戦はポスターにとどまらない。
元お笑い芸人に金融機関勤務、マーチングバンドや二輪車安全運転の全国大会で優勝…。昨年度初めて採用選考に導入され、96人が合格した「一芸」自己推薦。一見すると警察の業務と関係なさそうな異色の経歴を持つ人も選ばれた。
採用担当者は「例えば、金融機関の営業経験があれば対人折衝能力があり、現場で気が立っている人をなだめられるかも。さまざまな経歴が生きる現場がある」と選考理由を明かす。
さらに、今年は初めて7月24、25日に大阪府外の地方で採用説明会を開き、9月20日には採用試験(今年度第2回)も実施する。
会場となるのは、幕末の志士を生んだ高知市。今年度の募集ポスターのキャッチコピーは《正義のヒーローになりたい》でもあり、府警幹部は「警察官といえば、子供の『なりたい職業』の上位。正義のため、社会のため、大阪でヒーローになってほしい」と呼びかけている。