白鵬、出稽古で新鋭・御嶽海を10連勝と圧倒 肉離れで全治3週間の病院送り

2016年7月6日6時0分  スポーツ報知
  • 稽古で御嶽海(手前)を土俵の外まで投げた白鵬

 大相撲名古屋場所(10日初日・愛知県体育館)で史上3人目の通算1000勝に挑む東横綱・白鵬(31)=宮城野=が5日、東前頭筆頭・御嶽海(23)=出羽海=に強烈な洗礼を浴びせた。横綱はこの日、愛知・犬山市内の出羽海部屋を出稽古先に選択。今場所初顔合わせとなる期待の新鋭を三番稽古で10連勝と圧倒。最後は御嶽海の左ひざ裏を肉離れさせるほどの激しさで、格の違いを見せつけ記録達成へ順調すぎる仕上がりをアピールした。

 白鵬の今回の“ご指名”は御嶽海だった。場所前恒例ともなった初顔相手との三番稽古で何度も抱きかかえるようにして寄り切った。そして10番目に豪快に右上手投げで転がすと相手は左ひざを押さえて立ち上がれず。若い力士に両肩を担がれて稽古場を離れて強制終了となった。十分過ぎるほど横綱が強さを見せつけた。

 名古屋市緑区の宿舎から車で約1時間かけて、境川部屋と合同稽古を行った出羽海部屋に出向いた。稽古後は、「(御嶽海は)柔軟性があっていいものをもっている。それを(白鵬が)上回ったという話。15番くらいできればね」と相手を持ち上げつつ自画自賛。入門9場所目で横綱と対戦する地位まで出世したアマ横綱に恐怖感を与えて本場所で圧倒する布石は完成した。

 初顔との連勝は夏場所4日目に正代を破り27連勝で昭和以降単独3位。その正代(時津風)も夏場所前に出稽古先で張り手、頭突き、外掛けの3点セットで強さを植えつけていた。稽古後に犬山市内の病院で左下腿(たい)三頭筋上部挫傷で完治まで2、3週間と診断された御嶽海は、「負傷の影響は少なからずある。場所には出られると思う」と休場は回避。続けて「何もさせてもらえなかった。横綱が褒めた? 言われてうれしい。何も言われないよりは…」と自虐的に強さを再認識した。

 有望な若手には場所前の稽古で格の違いを見せつけるという横綱・千代の富士(現九重親方)にも通じる“流儀”。その昭和の大横綱もクリアした1000勝まであと13勝。「ここに来て体に張りもでてきた。状態もいい」。場所前から充実ぶりは止まらない。(網野 大一郎)

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