米 抗議デモで銃撃 死亡した警察官は5人に

米 抗議デモで銃撃 死亡した警察官は5人に
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アメリカで黒人男性が警察官に銃で撃たれて死亡する事件が相次ぎ、抗議デモが行われていた南部テキサス州で警察官ら11人が銃撃され、このうち5人が死亡しました。警察は事件に関わったとみられる男1人を銃撃戦のすえ、射殺し、ほかに拘束した男女3人の取り調べを進めています。
アメリカでは5日にルイジアナ州で、また6日にミネソタ州で、それぞれ黒人の男性が警察官に銃で撃たれて死亡する事件が起きたことから、7日には全米各地で警察に対する抗議デモが行われました。
このうちテキサス州ダラスでデモが行われた際、警察官ら11人が次々に銃で撃たれてこのうち5人が死亡し、6人がけがをして病院で手当てを受けました。
市内では、事件に関わったとみられる男1人が建物に立てこもり、警察との銃撃戦のすえ、射殺されましたが、現場で「もっと警察官を殺す。あちこちに爆弾を仕掛けた」と話していたということで、警察は、市内で爆発物が仕掛けられた形跡がないか調べています。
警察は銃撃は2つの方角から行われたとみていて、ほかに事件に関わったとみられる男女3人を現場付近で拘束し、取り調べを進めています。
アメリカでは黒人に対する警察官の対応が問題となって大規模な抗議デモに発展するケースが後を絶たず、今回警察官らが銃撃された事件の背景に警察に対する不信があるのかが注目されています。

黒人と最近の警察抗議デモ

アメリカではたびたび、警察による黒人への過剰な取締りと疑われるケースが起き、警察に対する激しい抗議活動に発展しています。
去年4月、東部メリーランド州ボルティモアでは、警察に逮捕された際に首に大けがをした黒人男性が1週間後に死亡し、事実関係の調査を求める地元住民が抗議活動を起こしました。
抗議する住民の一部が暴徒化し、州知事が非常事態を出す事態になったほか、抗議デモが全米のほかの都市にも広がりました。
また、おととし8月には中西部のミズーリ州ファーガソンで黒人の少年が警察官に射殺された事件を巡り、警察の対応に抗議するデモの参加者と警官隊が衝突するなど、大規模な抗議行動につながりました。
事態は一度は沈静化しましたが、おととし11月に地元の大陪審が少年を撃った警察官を起訴しないと決めると、決定に反発した住民たちの一部が暴徒化するなど、再び混乱が広がりました。