選管悩ます疑問票　三原じゅん子氏の場合「三浦じゅん子」は有効も…

三原じゅん子氏 Photo By スポニチ

　１０日に投開票される参院選。開票作業を担う選挙管理委員会が頭を悩ませているのが、有効か無効かを判断しにくい「疑問票」の取り扱いだ。公職選挙法では「記載内容から投票者の意思が明白ならば、その投票を有効とする」とし、その判断は各開票所の開票管理者が行うと規定。正確に候補者名や政党名を記入しなかった場合は、せっかくの１票が無効になる可能性がある。

　４人が立候補した京都選挙区。４選を目指す民進党の福山哲郎氏の応援演説で、前原誠司元外相は「自民候補の名前がすり込まれると困るが…」と切り出し「嵐の２人の名前が入っていて女子高生の間で話題になっている」と懸念を口にした。

　同選挙区には自民党公認で二之湯智（にのゆ・さとし）氏が立候補。アイドルグループ「嵐」の、二宮和也（３３）の愛称「ニノ」と、大野智（３５）の名前の「サトシ」が入っている。

　今回から選挙権年齢が「１８歳以上」に引き下げられ、新有権者の心をどうつかむのかも重要。前原氏は若者に人気の「嵐」の影響で「ニノ」「サトシ」票が二之湯氏に入るのを心配したのだ。

　実際はどう判断されるのか。京都市選管の関係者は「ニノ」「サトシ」は二之湯氏の投票として「有効になる可能性が高い」、「二宮」でも「確実に無効とは言えない」とした。

　東京都選管の関係者は「判断するのは開票管理者だが、一般的に１文字違いなら誤字脱字として有効」と説明。神奈川選挙区には、三浦信祐氏と三原じゅん子氏と似た名字の候補がいるが、「三浦じゅん子なら女性という特徴があるので１字間違いで有効。三浦じゅんだとどちらか分からないので無効」とした。

　また、北海道選挙区の僧侶の水越寛陽氏を「お坊さん」と書いた場合は「職業だけでは誰か特定できないので無効」。比例区の今井絵理子氏を「ＳＰＥＥＤ」とした場合は「誰か特定できないから無効」と指摘した。山口選挙区の纐纈（こうけつ）厚氏は「難解な漢字の人は平仮名でフルネームがお勧めです」とアドバイス。氏名の前に「頑張れ」などと書くケースは、名前以外のものを書く「他事記載」として無効、「君」「さん」と敬称をつけたものは有効という。

　総務省選挙課は今回、比例の「疑問票」の取り扱いに関する指針を各選管に通知。指針の「有効投票例」では民進党は「民進」「民」で「民主」は含まなかった。「自由民主党」「社会民主党」があり民進党の票とは認め難いと判断したとみられる。おおさか維新の会は「維新」のほかに「維」「お維」が有効例。「おおさか」は、新党改革から比例選に出馬した大坂佳巨氏がおり、同課は「大坂氏への個人票と考えるのが自然。政党も候補者も略さずに正確に書いてほしい」と呼び掛けた。