大西さん搭乗のソユーズ きょう宇宙ステーションへ

7日、中央アジアのカザフスタンから打ち上げられた、日本人宇宙飛行士の大西卓哉さんらが乗り組むロシアの宇宙船「ソユーズ」は、日本時間の9日午後1時すぎに国際宇宙ステーションに到着します。
大西卓哉さんら3人の宇宙飛行士が乗り組むロシアの宇宙船「ソユーズ」は日本時間の7日午前、中央アジア・カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。
ソユーズは、地球の上空を周回しながら、高度400キロ付近まで上昇していて、日本時間の9日午後1時12分に、国際宇宙ステーションにドッキングする予定です。
宇宙ステーションへの接近とドッキングは自動で行われますが、大西さんたちは、宇宙船の位置や速度が正しいか確認しながら、異常が見つかった場合は手動の操作に切り替えて対応することになっています。
ドッキングに成功し、安全が確認されれば、大西さんたちは、午後3時50分ごろ、出入り口の扉を開いて宇宙ステーションの中へ入り、ことし10月下旬まで、およそ4か月間の長期滞在を開始します。滞在中、大西さんは、がんなどの新しい治療薬の開発を目指す実験に臨むほか、日本では初めてとなる哺乳類での宇宙実験として、マウスの飼育実験を行い、老化現象の解明などに取り組むことになっています。
大西さんが搭乗しているソユーズ宇宙船は、今回から機器の一部を新しくした「改良型」になっています。

「改良型」の初飛行となった今回は、機器が正常に作動するかどうか、慎重に確認しながら飛行する必要があるため、国際宇宙ステーションまでのフライト時間は、最も急ぐ場合の6時間ではなく、余裕をもった2日間に設定されています。
大西さんは、改良型に搭乗する初めてのクルーとなりましたが、インターネットのSNSで、改良型の操作に慣れるまでの訓練の様子などを画像つきで紹介しています。ことし4月24日の書き込みでは、改良型のシステムの訓練がロシアで始まるのを前に、大量の教科書が届いたことを紹介しています。また、4月30日の書き込みでは、改良型の宇宙船を手動で操作して、国際宇宙ステーションにドッキングさせる訓練の様子を紹介し、「従来型との操作の感覚の違いにはだいぶ慣れてきました。従来型より難易度が上がっていますが、パイロットとしての経験が生かせていると思います」と感想を寄せています。
5月7日の書き込みでは、改良型の特徴に慣れてきたものの、訓練の内容によっては、エンジンをどれだけ噴射させるか調整が難しく苦労していることが紹介され、「調子が今ひとつでした。しっかりと修正したい」という感想を記しています。
さらに打ち上げまで1週間となった先月30日の書き込みでは、実際に自分が宇宙船に持ち込む紺色の手順書を画像つきで紹介しています。訓練中につけていた目印の付箋が、今では半分ほどになり、操作に慣れてきたことを記しています。