ロッテ創業者と次男を出国禁止に=韓国検察

【ソウル聯合ニュース】韓国ロッテグループの裏金をめぐる疑惑を捜査している韓国の検察が、グループ創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏と格浩氏の次男の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)グループ会長を出国禁止にしたことが8日、分かった。両氏は数千億ウォンの横領・背任や裏金づくり、不公正取引などが疑われており、出国禁止措置で検察の捜査に弾みがつくとみられる。

 検察は先月10日にロッテグループ各社の家宅捜索を実施し、グループ政策本部の副会長や運営室長ら側近と主要グループ会社の代表を出国禁止にした。格浩氏と東彬氏の自宅や事務所も捜索したものの、グループ総帥の企業活動を保障するという趣旨で出国禁止の対象にはしなかった。

 しかし、ソウル中央地検の担当チームはこのほど格浩氏と東彬氏を出国禁止にした。これに対し、両氏の容疑を固めるような手掛かりや物的証拠を確保したためではないかとの見方が出ている。

 検察は複数のグループ会社から両氏へそれぞれ毎月300億ウォン(約26億円)の不審な資金の流れがあることを把握。資金管理の担当者はその名目を給与や配当金と説明したが、検察は正常でない資金が含まれている可能性を念頭に資金の流れをたどってきた。

 海外事業ではグループ会社を介在させる不当な取引を指示した疑惑が持たれている。たとえばロッテケミカルが海外から石油化学製品の原料を輸入する際、日本のロッテ物産を取引の当事者に見せかけ、不当な利得を得た疑いがある。

 中国やロシア、ベトナムへの投資で、タックスヘイブン(租税回避地)に設立したペーパーカンパニーを通じ裏金をつくったとする疑惑もある。

 検察内外では、先に出国禁止にした側近らの取り調べを終えてから、遅くとも8月中に格浩氏と東彬氏を呼び出すことになるという見方が有力だ。

 一方、検察は前日に格浩氏の長女の辛英子(シン・ヨンジャ)ロッテ奨学財団理事長を、ロッテ免税店とロッテ百貨店内への化粧品メーカー出店の見返りの受け取りと横領の容疑で逮捕した。

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