前半は仏教がどんなものでどんな歴史なのかを解説、後半はチベットの高僧タムトク・リンポチェ、ダライ・ラマ14世との対話。
短時間で読めてわかりやすい!
特に前半部分、よくこんな短くまとめてくれたなあって感じ。
学校の勉強で無理やり名前だけ暗記した「空海」「最澄」「法然」「親鸞」「日蓮」「道元」「栄西」、いつどんな宗派を興したということがよく理解できた。
ぼくは真言宗の「空海」だけは、漫画「孔雀王」で多少馴染みがあったけど…
「孔雀王」はめちゃくちゃおもしろい漫画だと思う。
この本の話に戻って、
西遊記の三蔵法師(唐代初期の僧侶の玄奘三蔵)が実際何をした人物なのかはじめて知った。
孫悟空が飛び回る「西遊記」はもちろんフィクションです。しかし、玄奘三蔵の旅を記録した「大唐西域記」をベースにしており、お経を求めて天竺、すなわちインドを目指すという大筋は史実をモチーフにしています。
<中略>
玄奘は国を出ることを許されなかったため、ひそかに出国するという危険をおかして、天竺への旅に出ました。そして、中央アジアを経て、世界最古の大学とされるナーランダ僧院で本場の仏教を学ぶことができたのです。
<中略>
ちなみに、日本人にも馴染みの深い般若心経も、玄奘が翻訳したものです。
三蔵法師は中国や日本の仏教にとってすごく重要な人物ということが知れてよかった。
欲を捨てるという教えの仏教も、結局お金が必要だ。
たとえば、ブッダの時代には、お布施を現金で受け取ることは禁止されていました。お金のもつ魔力を、ブッダは知っていたのでしょう。しかし、第二結集のころには都市部で貨幣経済が発達しており、僧侶も経済活動に参加せずには教団を運営できなくなっていたのです。
お金をめぐる問題は非常に深刻でした。このとき仏教教団全体がブッダの時代のルールをそのまま守るべきだという保守派(上座部)と時代に合わせてルールを変えていくべきだという改革派(大衆部)に分裂してしまいました。
やっぱり何でも時代にあわせて変わっていくしかないんだなあ。ちょっと残念な感じ。
最後にチベットの高僧タムトク・リンポチェとの対話から引用。
大乗仏教の教えがきちんと伝わった国であるという意味で、仏教という観点からは、劣った点は何もないのです。
しかし、私が拝見するに、日本の皆さんは本当に時間がなくて、いつも急いでいらっしゃる。仏教をじっくり学ぶ時間も、実践する時間もありません。欠点があるとすれば、この点でしょう。日本の仏教自体に何らかの欠点があるとは私は思いません。
1日10時間くらい働いて通勤で往復3時間使って疲れて帰ったら時間なんてない。スマホのおかげでスキマ時間に情報を得ることができるようになったけど、落ち着いて考えたり学んだたりとかはちょっと難しい。
「時間はつくるもんだ!」とか言われてもね…
こんな感じでとってもおもしろい本だった。
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