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ジェイ・Z、警官による黒人射殺事件を受けて3年ぶり新曲となるメッセージ・ソングを緊急発表

Jay Z - I Got The Keys capture

今週、警官が黒人男性を射殺する事件が2件立て続けに発生した問題を受けて、ヒップホップ界の帝王ジェイ・Z(Jay Z)が、メッセージ・ソング“Spiritual”を緊急発表した。

米時間で7月5日早朝、ルイジアナ州バトンルージュで黒人男性アルトン・スターリングさん(37)が白人警官2名に取り押さえられた上、射殺された。さらに翌日にはミネソタ州ファルコンハイツで、フィランド・カスティールさん(32)が警官によって射殺された。いずれも射殺の様子を撮影したと見られる動画がインターネット上で公開されており、警官の対応を非難する声が相次いでいる。

ここ数年、ミズーリ州ファーガソンで白人警官が黒人を射殺した事件や、ニューヨーク州スタテンアイランドで警官が黒人を取り押さえる際に窒息させた事件などが相次ぎ、「Black lives matter」(黒人の命だって大切だ)、「Hands up, Don’t shoot」(両手を上げているから撃たないで)のスローガンで大規模な抗議デモが起こるなど、警官による行き過ぎた取締りが問題視されている中の事件となる。

こうした状況を受けて、ジェイ・Zが新曲“Spiritual”を緊急発表。自身がオーナーとなっている音楽ストリーミング・サービスのTIDAL上で公開しており、通常は会員以外は30秒の試聴しかできないものの、フル音源を解禁している。歌詞には、「Hands up, Don’t shoot」のスローガンを意識したと見られる「俺は毒じゃない、俺は有害じゃない/両手を上げよう、絶望に包まれた空へ。撃たないでくれ/ただいいことをしたいだけだ」とのラインも出てくる。また、この曲の発表についてジェイ・Zから出されたコメントによると、“Spiritual”は以前から制作されていたものの完成していなかった曲であり、ファーガソンの事件のタイミングでリリースするよう言われたこともあったとのことで、数年前から存在していたようだ。ジェイ・Zは、「悲しいし、このアメリカに失望している」などと綴っている。

またジェイ・Zの妻で世界ツアー中のビヨンセ(Beyonce)は、「我々には、怒りと失望を行動に変える力がある」と行動を起こすべきとのメッセージをInstagramに発表。7日に行われた英グラスゴー公演では、警官による行き過ぎた取締りによって亡くなった犠牲者の名前を巨大ビジョンいっぱいに並べ、黙とうを捧げる時間が公演中にあったという。ビヨンセは今年2月、NFLスーパーボウルのハーフタイム・ショウで“Formation”を披露したが、生中継放送が高視聴率を誇る大舞台で、ダンサーたちが黒人民族主義運動・黒人解放闘争を行っていたブラックパンサー党を意識した衣装に身を包むなど政治的メッセージの強いパフォーマンスをしたことが大きな話題となった。

R&Bスターのクリス・ブラウン(Chris Brown)も、同様にこの事件を受けて、“A Lot Of Love”、“My Friend”という2曲を発表した。“A Lot Of Love”は、「世界はもっとよくなる」との願いが込められた、ファイヴ・ステアステップス(Five Stairsteps)の名曲“O-o-h Child”が引用された曲となっており、“My Friend”はいなくなった人を想うバラードとなっている。他にも、ジェイ・Zやビヨンセらも手がけたスウィズ・ビーツ(Swizz Beatz)が“Sad News”という曲を発表するなど、音楽を通してメッセージを発表するアーティストが続々と出ている。

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Beyoncéさん(@beyonce)が投稿した写真 –

IM TIRED!!!!!!!!!!!!!!! WE ARE TIREDDDDD!!!!!

1さん(@chrisbrownofficial)が投稿した動画 –