中国 鉄鋼製品の大量輸出 各国に理解求める

中国 鉄鋼製品の大量輸出 各国に理解求める
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中国で過剰に生産された鉄鋼製品が大量に輸出され、各国の産業に悪影響を及ぼしている問題について、中国政府は、輸出を抑える対策を取って市場の安定に貢献しているなどと説明し、各国に改めて理解を求めました。
世界最大の鉄鋼生産国である中国では、ことし1月から5月までの鋼材の輸出量が、去年の同じ時期より6%余り増えていて、中国で過剰に生産された鉄鋼製品が安値で輸出され、各国の鉄鋼産業に悪影響を及ぼしていることが問題となっています。
これについて、中国商務省の沈丹陽報道官は5日の記者会見で、中国政府として、鉄鋼製品の輸出にかかる関税を引き上げるなど、輸出を抑えるための対策を取り、市場の安定に貢献していると説明しました。そのうえで、「中国の鉄鋼生産は国内の需要を満たすのが主な目的で、中国政府は鉄鋼製品の大量輸出を後押ししてはいない」と述べ、各国に対し、改めて理解を求めました。
その一方で、沈報道官は「輸入国の需要こそが市場取り引きの本質だ。中国の鉄鋼製品は市場競争力が強く、輸入する国の企業や消費者に利益をもたらしている」とも述べ、鉄鋼製品の輸出の増加は、中国の製品に対する各国からのニーズの高まりも背景にあるという認識を示し、正当化しました。