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IoTは企業の風土改革に役立つか
社員はみんなまじめで優秀だし、仕事を指示すればきちんと仕上げてくる。業績もそこそこの水準を維持してはいる。でも社員たちから活気を感じられず、社内の雰囲気がどうにも沈滞化してしまっている。何とか停滞感を打破して業績を伸ばしていきたいが、どこから手を付けたものか――。
記者が担当している「日経情報ストラテジー」では、ITを活用した企業の業務改善、経営革新といった主題でさまざまな事例を誌面で紹介している。そのなかで、とりわけ読者の皆様の反響が大きいテーマとして、企業の風土改革が挙げられる。上述のように、社内の停滞感を打ち破り会社を成長軌道に乗せるための取り組みを紹介するものだ。
これまでは、経営者や現場の管理職が社員たちと対話するなかで社員の心を動かしていくという、マネジメント力やコーチングなどのノウハウを取り上げることが多かった。一方で足元では、そうした企業の風土改革にも、IoT(モノのインターネット)をはじめとするIT活用の波が到来しつつあるようだ。
ビーコンで社員同士のプロフィールを確認
記者がそう強く感じたのは、リクルートテクノロジーズが2016年4月から試験運用している、ビーコンを活用した社内交流活性化の取り組みを取材したときだ。同社は500人超の社員全員に携帯型のビーコンと、業務用iPhoneで動く専用アプリを配布している(この取り組みの詳細は、記者のもう一つの担当である「日経コンピュータ」の2016年6月23日号で詳述している)。
同社は2012年にリクルートから分社化。業務拡大に伴い、ここ2年ほどで中途採用を強化した結果、中途採用比率が8割まで高まり「1つのチームに毎月新人が加わるような状況」(リクルートテクノロジーズの担当者)。面識のない社員同士の交流を活性化する策を考えていた人事部の担当者が、SNS運営会社からの転職者でビーコンに関する知見を持つ研究所の社員に相談し、開発プロジェクトが始動した。
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