ツタヤ図書館、ついに不信強める市が大量「古本」選書を拒絶!CCC関連会社から大量購入
あまりにも刊行年が古い本や、内容的に不適切と批判された本を不許可にしたのではないかとも考えられるが、池沢氏は強く否定する。
「そういう明確な理由ではありません。市教委は、CCCの実態を知って驚いたのでしょう」
確かに、第3回リストをあらためて見てみると、刊行年が新しくても購入不許可になっていたり、逆に射幸心を煽るようなタイトルのマネー本が購入許可されている。そこからは、明確な基準や意図を読み取ることはできない。強いていえば、役人が自分たちの権限を誇示するために、わざとアトランダムに拒絶したとしか思えない。
第3回リストが提案された前後に、市教委のスタンスが豹変するだけの事件があったと考えると納得できる。
ツタヤ図書館、次々に噴出する不祥事
昨年8月、全国初のツタヤ図書館の佐賀県武雄市図書館で、不適切な選書問題が世間に明るみに出た。市民が武雄市に請求していた、図書館リニューアル時に約1万冊の蔵書を追加購入したときの選書リストが開示され、それがインターネット上に公開されたことが発端だった。
そのリストのなかには、10年以上前のパソコンソフト本や資格試験対策本、埼玉県のラーメンガイドなど、極端に価値の低い古本が大量に含まれていた。そのためネット上では、「CCCは、とんでもなく非常識な会社」「蔦屋書店の売れ残りを図書館で処分しているのではないか」と、選書を担当したCCCを非難する声が巻き起こり、それが瞬く間にあちこちで炎上騒ぎに発展した。
その騒動の火に油を注いだのが、週刊誌やネットニュース、テレビなどでの報道である。その様子をいくつか列挙してみよう。
・「週刊朝日」(朝日新聞出版/8月21日号)記事、『真夏のワイド・衝撃事実発覚 あの前武雄市長ツタヤ関連企業に天下り!』
・「女性セブン」(小学館/9月10日号)記事、『佐賀・武雄市民は怒ってます!「リアル図書館戦争」』
・「週刊朝日」(9月11日号)記事、『武雄市TSUTAYA図書館 関連会社から“疑惑”の選書』
・9月7日付「週プレNEWS」、『大批判の渦中、ツタヤ図書館が身内の中古書店から“無用の100円本”を大量購入』
・9月14日『モーニングバード』(テレビ朝日系)『武雄市図書館“ずさん選書”で反省』
ツタヤ図書館の話題といえば、それまではネット中心に繰り広げられていたのが、この時を境にして、雑誌やテレビなどでも盛んに取り上げられるようになった。
その直前までツタヤ図書館は「官民一体の成功モデル」ともてはやされる優等生的存在だったが、一転して悪評が噴出する展開となったことに多くの人が引き込まれた。