名乗り(人名訓)とは
古くからある名前の訓読みのこと。「一」を「かず」「はじめ」と読む類。名乗りも名付けの参考にしてみるとよいでしょう。外国から入ってきた文字(漢字)に対して、似た意味の言葉を当てて呼んだもの、もしくはその言葉に対して意味の似た意味の漢字を当てたもの。戦においては武士が味方や敵に向かって自分の姓名・身分・家系などの素性、戦功、戦における自分の主張や正当性などを大声で告げること。 武士の作法として、名乗りが行われている間に攻撃することは良しとされなかった。 戦場では自分の勇名や戦功を喧伝するためなどに行われ、味方の士気を上げるためや相手方の士気を挫いたり挑発するためにも行なわれた。 『平家物語』巻十一「弓流」において、平氏方の藤原景清が源氏方の美尾屋十郎を倒し、逃げるところを捕まえようとして引きちぎった錣を長刀に刺し掲げて上げた勝ち名乗りの「遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ」の口上は慣用句にもなっている。