中国籍の女性 みずから姿消したあと事件に遭ったか

中国籍の女性 みずから姿消したあと事件に遭ったか
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東京・品川区の運河で、スーツケースに入った中国籍の女性の遺体が見つかった事件で、おととし、女性の行方が分からなくなった際周辺でトラブルなどが確認されていないことから、警視庁はみずから勤務先からいなくなったあと、事件に巻き込まれたとみて捜査しています。
この事件は、先月27日、東京・品川区の京浜運河で、浮いていたスーツケースの中に女性の遺体が入っているのが見つかったもので、警視庁は、死体遺棄事件として捜査しています。
警視庁が身元の確認を進めたところ、死亡したのは、中国籍の楊梅さん(34)と確認されました。
これまでの調べで、楊さんは3年前、技能実習生として日本に入国し、京都府内にある車の部品製造会社で働いていましたが、おととし、突然、勤務先の寮からいなくなったということです。
当時、会社側からの届け出を受けて地元の警察が調べた結果、楊さんの周辺でトラブルなどは確認されなかったということです。
警視庁は楊さんがみずから勤務先からいなくなったあと、事件に巻き込まれたとみて、その後、どこで生活していたのかなどについて捜査しています。

楊梅さん 失踪の経緯

京都府警によりますと、楊梅さんは京丹後市内にある車の部品を製造している会社の工場で働いていました。
会社の寮に住んでいましたが、おととし3月25日の午後7時ごろに夕食をとったあと、ほかの中国人の同僚の2人とともに行方が分からなくなったということです。
その際、楊さんの部屋に荒らされたようなあとはなく、貴重品や身の回りの品などは持ち出されていたということです。
3日後の28日になって会社が地元の京丹後警察署に楊さんたち3人について行方不明の届けを出していました。

外国人技能実習制度の現状は

「外国人技能実習制度」は外国人が日本で働きながら技術を学ぶ制度で、去年は、これまでで最も多いおよそ9万7000人の実習生が来日し、このうち中国人が4割、ベトナム人が3割を占めています。
この制度は発展途上国の人材育成を主な目的としていますが、実習生が企業からいなくなり失踪するケースが急増していて去年は5803人の行方が分からなくなっています。
背景には実習先の企業が違法な長時間労働をさせたり賃金を正しく支払わなかったりする問題があるとみられ、制度を適正化するため実習先を指導・監督する専門の機関を設置するなどとする法案が国会に提出され審議が続けられています。