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●戸籍の種類
戸籍と一般に言うと、戸籍謄本や戸籍抄本を指す。これらは、現在のその人の状態を表すもので、結婚をして戸籍を新しく作った人などは、この戸籍謄本や戸籍抄本では、結婚前の情報が載っていない。
通常生活しているうえでは、この戸籍謄本か戸籍抄本くらいしか関わることはないと思うが、相続など、亡くなった人の出生から死亡までが分かるものが必要なときは、除籍や改製原戸籍が必要になったりする。
●戸籍謄本(又は戸籍全部事項証明)
現在の戸籍で、その戸籍に載っている全員の人の情報を載せた証明書のことである。
少し前までは、紙でできた戸籍だったのが、最近はパソコンで情報を管理し、パソコンから打ち出される戸籍が増えてきた。(これを戸籍の電算化と呼ぶが、戸籍の電算化を行っているかは、各市区町村による)このパソコンから打ち出される戸籍のことを戸籍全部事項証明と呼んでいるが、意味合いとしては戸籍謄本と全く変わらない。
これ以降、ややこしくなるので、戸籍の電算化がされていたとしても、戸籍全部事項証明という言葉は使わず、戸籍謄本という言葉を使って説明することにする。
●戸籍抄本(又は戸籍一部事項証明)
現在の戸籍で、その戸籍に載っている一部の人の情報を載せた証明書のことである。
これも戸籍謄本と同様に、戸籍の電算化をおこなった戸籍抄本を、戸籍一部事項証明と呼んでいるが、意味合いとしては同じである。
なお、筆頭者が誰であるかということは、戸籍抄本であっても必ず記載されるが、筆頭者の身分関係の情報まで載ってくるものではない。
これ以降、ややこしくなるので、戸籍の電算化がされていたとしても、戸籍一部事項証明という言葉は使わず、戸籍抄本という言葉を使って説明することにする。
(筆頭者)
深山慎哉 |
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(筆頭者)
深山慎哉 |
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(筆頭者)
深山慎哉 |
| 深山慎哉 |
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深山慎哉 |
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深山りな |
| 深山幸恵 |
→ |
深山幸恵 |
or |
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| 深山りな(子) |
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深山りな |
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| (戸籍簿) |
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戸籍謄本 |
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深山りなの戸籍抄本 |
●除籍謄本・除籍抄本
除籍とは、死亡や結婚などにより、戸籍に載っていた人全員が除かれてしまった戸籍のこと。謄本とは除籍に載っている全員を記載したもので、抄本とは除籍に載っている一部の人だけを記載したものである。
お父さんが亡くなった時などは、お父さんの除籍をとらないといけないと考えてしまうが、まだお母さんが生きていたり、子供が結婚していなかった場合は、除籍謄本ではなく戸籍謄本をとることとなる。
(筆頭者)
深山慎哉 |
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(筆頭者)
深山慎哉 |
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(筆頭者)
深山慎哉 |
| 深山慎哉 |
→ |
×深山慎哉 |
→ |
×深山慎哉 |
| 深山幸恵 |
父死亡 |
深山幸恵 |
母死亡 |
×深山幸恵 |
| 深山りな(子) |
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深山りな |
子結婚 |
×深山りな |
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戸籍謄本 |
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除籍謄本 |
●平成改製原戸籍
かなり聞きなれない言葉だが、これは戸籍の電算化をおこなっていない市区町村は関係ないもので、戸籍の電算化をおこなった市区町村のみで使われる言葉である。
戸籍の電算化をおこなった市区町村では、今まで紙の戸籍を使ってきたものを、パソコン管理による戸籍に変えた。変えたときに、この紙の戸籍にも情報が載っているわけだから、勝手に捨てるわけにはいかないため、この紙の戸籍のことを、平成改製原戸籍と呼んで保存しておくことにした。なので、除籍とは違うが、過去の身分関係を調べていくのに必要な戸籍ということが言える。
このとき、現在の情報を載せた戸籍謄本には、紙の戸籍で死んでいたり結婚したりして除かれている人の情報は載ってこなくなる。下の図でいうと、既に死亡していた深山幸恵さんの情報は、電算化により戸籍謄本には載らなくなっているため、深山幸恵さんの情報を知ろうと思うと、平成改製原戸籍をとる必要が出てくる。
(筆頭者)
深山慎哉 |
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(筆頭者)
深山慎哉 |
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(筆頭者)
深山慎哉 |
| 深山慎哉 |
→ |
深山慎哉 |
& |
深山慎哉 |
| ×深山幸恵 |
電算化 |
×深山幸恵 |
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深山りな |
| 深山りな(子) |
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深山りな |
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| 紙の戸籍 |
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平成改製原戸籍(紙の戸籍を保存したもの) |
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戸籍謄本 |
●昭和改製原戸籍
これは、昭和初期にも平成改製原戸籍のようなことがあり、それまで使っていた戸籍を昭和改製原戸籍として保存しておくことにしたもの。
この昭和初期の改製により、戸主を中心とした家単位の戸籍が、現在のような夫婦とその子供でつくられる戸籍に変わった。この昭和改製原戸籍をとると、その家に登録されていた人がすべて記載されているため、子供はもちろん孫や、子供の嫁や、甥や姪などがずらりと並んでいるのが分かる。
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