登山愛好家だけでなく、日本人全員に愛されている富士山。
登山にはあまり興味ないけど、富士山には登っておきたいっていう人も多いのではないでしょうか。
山岳写真を撮るために登山を良くする僕は、2015年の8月に富士山に登頂しました。
土曜日の夜に登山口を出発し、御来光を拝んで、日曜の午前中に登山口に戻ってくる日程でした。
いわゆる弾丸登山という登り方です。弾丸登山には様々な意見があるようですが、僕個人の考えを述べていこうと思います。
自治体からは富士山弾丸登山は止めるように言われている
静岡、山梨両県は23日、十分な休息を取らずに夜通しで富士山を登山する「弾丸登山」の自粛を登山者らに強く呼び掛けるよう、観光庁や日本旅行業協会などの観光関係団体へ要望した。
まず、弾丸登山の定義ですが、事前に十分な休息を取らずに夜通し登ることを言います。
ニュースにもなっている通り、富士山を管轄する山梨県と静岡県では、富士山の弾丸登山は自粛するように強く呼びかけています。5合目付近にも「弾丸登山はやめよう!」といった看板がありました。
弾丸登山以外の登り方
- 弾丸登山以外の登り方は、朝から昇り始めて、夕方には下山する日帰り登山
- 夕方までに山小屋に入り、夜は仮眠して御来光の時間に合わせて登頂を目指す山小屋泊の登山
の2点がありますが、前者は、富士山登山のハイライトシーンである御来光を拝めません。弾丸登山をしないとなると、御来光を見るには、自ずと山小屋泊するしかないってことになります。
弾丸登山は自粛した方がいいのか?
富士山を弾丸登山してはダメなのでしょうか。
まずは弾丸登山の定義を振り返りましょう。「事前に十分な休息を取らずに夜通し登ること」を弾丸登山と言います。
この定義で話を進めると、弾丸登山はやめたほうが良いと思います。「事前に十分な休息」というのがポイントです。
例えば、金曜の提示まで仕事をして、そこから富士山に行って登山をするなんていうのは無謀極まりない行為です。
でも、日中、しっかりと体を休めた上で富士山に夜通し登ることは全く問題ないと思っています。
僕は、土曜日の昼過ぎまで眠り、自宅を出発し、富士山までの高速バスの中でもウトウトしながら向かいました。
その結果、夜通し富士山に登り続けても特に体に変調をきたすことはありませんでした。(下山後、頭痛くなりましたが、多分夜通し登山とは無関係)
弾丸登山って体調を崩す人が出やすいって本当?
2013年に山梨県が発表したデータですと、夜間に富士山の救護所に体調が悪くなったと駆け込んだ人で弾丸登山であろう登山者は161人中17人で10.6%だったとのこと(夏季38日間の集計)。
これに対して、推計の全富士山登山者(23万2682人)に占める推計の弾丸登山者(2万1243人)の割合は9.2%。
比率に大差はなく、むしろ、夜間は、弾丸登山者の割合が増えているはず。弾丸登山だから具合が悪くなりやすいということは言えないのではないか。
山小屋でしっかり休息できる気がしない
山小屋で十分に眠ってから、御来光の時間に合わせて山頂へ向かうことが推奨されています。
でもね、山小屋泊で十分に体を休めることが出来るでしょうか?山小屋って結構寝心地は悪いですよ。
限りあるスペースに布団を敷き詰めて、人をどんどん詰め込んでいきます。良くて布団1枚のスペースに1人。最悪だと、布団1枚のスペースに頭と足を交互にして2人〜3人詰め込まれることもあるとか。
山小屋は立地にも懸念材料が有ります。富士山の山小屋の多くは登山道に面した形で建っています。
絶え間なくやってくる登山者は皆無言で黙々と登るでしょうか?そんな筈ありません。グループの登山者は騒ぎながら登ります。
歌を歌いながら登ってる陽気なグループもいました。そういった騒音は間違いなく山小屋内部まで響いているはずです。
そんな状況で十分に休息できるでしょうか。登山に慣れている僕でも、ぐっすりと眠りにつく自信がありません。登山初心者ならなおさらキツイのではないでしょうか。
もし、一睡も出来ぬまま、山小屋を出発する時間が訪れたらと思うだけでゾッとします。定義通りの弾丸登山よりも山小屋に泊まったほうが肉体的にも精神的にもすり減ってしまいそうで怖いです。
それでいて、5000円〜9000円くらいの宿泊料を取られてしまいます。
僕なら絶対富士山の山小屋には泊まりたくないです。
弾丸登山の自粛を求める理由ってもしかして・・・
弾丸登山の自粛を求める理由って、富士山の山小屋の観光収益を上げたい静岡県と山梨県の陰謀なのではと思ってしまいます。
僕なら次回も夜通しで登ります
もし、再び御来光を見るために富士山登山に行くなら、迷わず夜通しで登る計画を立てます。
弾丸登山・夜通し登山の注意点、経験者の反省点
5合目についたら1時間以上、体を高地に慣らす
富士山は五合目の時点で標高2300mくらいあります。
この高さまで短時間でバスで昇ってきます。急激な標高の上昇は高山病を招きやすくなります。
高山病を防ぐためにも、高地に体を慣らしてから出発することをおすすめします。1時間〜2時間見とけば問題ないはずです。
登山用ライトは絶対必要
夜の歩行なので、足元が暗いです。絶対ライトは持って行ってください。頭につけて両手を塞がないタイプのヘッドライトがおすすめです。
8合目くらいからは人の行列で大渋滞だったので、周りの人のヘッドライトで照らされるので、自分のライトが無くても問題なかったです。
5合目から8合目くらいまでは幅広の道が続き、周りに人が居ないって状況にもありえるので、ヘッドライトが必須です。
山頂での御来光を諦める覚悟も持つ
土日の富士山登山はびっくりするほど混みます。ディズニーランド以上なんじゃないかな。山頂に近づくに連れて、大渋滞が始まる可能性が高いです。(8合目付近からがピーク)
御来光の時間までに山頂に到着できない可能性も考えられます。無理だと思ったら、途中の山小屋か、登山道から少し外れたスペースで待機して御来光を待つとう決断を下すのもありです。
正直、山頂で見る御来光も9合目や8合目から見る御来光も大差ありません。
登山道を登りながらの状態で御来光を迎えるなんてもったいないですよね。それだけは防ぎましょう。
僕は、御来光まで登頂できず、9合目付近で御来光を拝みました。
山頂で御来光を見たいなら何時までに出発すべきか
これは僕の反省点です。計画では5合目を土曜の20:00ころ出発し、御来光の日曜5:00の30分前には山頂に居る予定でした。
ところが、想像以上の大渋滞で3歩進んでは20秒以上立ち止まる状態。日の出までに登頂は果たせませんでした。
絶対に御来光は山頂で見たいって場合は19:00より前に5合目を出発したほうが良さそうです。
まとめ
以上、富士山弾丸登山に対する個人的見解と、弾丸登山の注意点でした。
各々、自分の体力と経験とスケジュールと相談しながら、富士山をどう登るか決めてくださいね。