Kei's Way@Nepal

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
第一志望の会社を3年で辞めた27歳が
ネパールで起業するまで


「援助したからこそ狙われた」を「守られた」へ。青年海外協力隊が存在する意味

青年海外協力隊 国際協力

f:id:kei-lmnop:20160706192012j:plain

引用:One Love World Gallery

ナマステ!

バングラデシュのテロ事件の話。

この事件を受けて僕がまず思ったこと。
それは「『本当のバングラデシュ』を知ってほしい」ということ。
だから、このブログでも記事を書いた。

www.keikawakita.com

でも実はもう1つ思っていたことがある。
それは「なぜ他国の発展を支援していた人が殺されたのか」ということ。
自分も青年海外協力隊という立場でネパールにいる以上、どうしてもそこがずっと引っかかっていた。

そんな僕のために書かれたような記事を見つけてしまった。

「援助したのに」ではなく「援助したから」という視点

それがこちらの記事。

www.huffingtonpost.jp

非常に斬新な視点なので、時間がある人はぜひ読んでみてください。
要約するとこんな感じ。

・援助という名目のもと、援助機関が途上国に入る
・国連などの援助機関の職員の給料は高く、現地住民の何倍もある
⇒援助をすることが格差社会を生み、現地人の不満が生まれ、外国人が狙われる

実際、援助機関の職員って現地人の給料の何倍も高いですからね。
記事の例えも絶妙に分かりやすかった。

東京に置き換えるとすれば、世田谷区の一角に、毎月300万円稼ぐ外国人数千人のコミュニティーが出来上がるようなものである。
年収200万円にも満たない人からしたら、「俺たち日本人がこんなにヒーヒーいってんのに、俺たちを助けに来るといいながら、何贅沢な暮らししてんだ」と感じる人もいるかもしれない。

THE HUFFINGTON POST「援助したのになぜ狙われるのか」ではなく、「援助したからこそ狙われた」という発想転換を

今回のテロ事件の実行犯は、富裕層であると言われている。
なので今回のテロ事件においては、貧富の格差が直接の原因ではないかもしれない。
でも、格差に不満を持った現地の人が外国人を狙うっていうのは十分あり得ること。

非常に斬新で読んでおいたよかったと思える記事でした。

多数の援助機関。たくさんの外国人。増える高級モール。アジア最貧国ネパールでも構図は同じ

多数の援助機関が入り、たくさんの外国人が住む。
そしてその外国人のニーズに合わせた、高級モール。
僕が住んでいるネパールという国も例外なく、この構図が当てはまります。

カトマンズにはUNDP(国連開発計画)やUNICEFのオフィスはもちろん、多数の援助機関やINGOが活動しています。
それもあってか、カトマンズに住んでいると欧米系外国人はたくさん見かけます。
こんな朝市が開催されるくらいですからね。

www.keikawakita.com

それに合わせて、現地の富裕層か外国人しか使わない高級モールも続々と建設されています。

発展したカトマンズの市街地の環状線から一歩外に出ると、一気に光景が変わる。
目で見て明らかに分かるくらい、ネパールでは貧富の格差もあります。
多数の援助機関が入ることで、貧富の格差もますます広がっているように感じます。

「援助したからこそ狙われた」
あの記事の中で言っていたことは、ネパールでも十分に起こりうる可能性がある。

外国人は「脅威」ではなく「機会」であると僕は伝えたい

現地の人に一番近い場所で活動しているのが青年海外協力隊。
そんな青年海外協力隊の僕に何ができるんだろうか。

それは現地の人々の「外国人」に対する見方を少しでも変えること。
外国人を「脅威」ではなく「機会」と捉える視点を持ってもらうこと。

これが僕ら青年海外協力隊にできることなんじゃないでしょうか。

援助機関が多数入り、それに伴って外国人がたくさん住む。
その結果、確かに格差社会ができてしまうかもしれない。
お金持ちの外国人を見たら、確かに現地の人は不満を持ってしまうかもしれない。

でも、外国人が住むということは、現地人にとっても必ずメリットがある。

例えば、僕が活動で取り組んでいる、ネパールのお土産のラプシーキャンディ。

www.keikawakita.com

今までは現地人向けでしたが、外国人向けに売ることで、収入向上を実現しています。
現地人向けの約2倍の収益があるんです。
今は観光客がメインですが、これからは在住外国人向けにも販路を拡大していきます。

こんな風に、外国人がいるっていうことは、大きなビジネスチャンスなんです。

さらに活動とは直接関係ないものの、僕は日本の学校とネパールの学校をつなぎ、Skypeで行なうWeb交流プログラムのサポートをしている。
要は、日本人の僕がネパールの子どもの異文化交流の機会をつくっているわけです。

ビジネスチャンスだったり、異文化交流だったりなんでもいい。
「外人がいるとなんか面白いことができるな~!」なんて思ってもらいたい。
国籍や宗教、文化が違う人と関わる面白さを伝えたい。 

それができるのが、草の根レベルで現地に溶け込む青年海外協力隊なんです。

青年海外協力隊は「狙われた」を「守られた」にできるから存在している

外国人は「脅威」ではなく「機会」。
そんな風に自分と違う国籍や宗教、文化を持つ人を「面白い」って思ってもらえたらこんなことが起こるんじゃないでしょうか。

「援助したからこそ『狙われた』」ではなく「援助したからこそ『守られた』」。

「違い」を恐れるのではなく、楽しむ。
「違い」を認めず、無下に扱うのではなく、受け入れ、尊ぶ。
「違い」は「攻撃」するのものではなく、尊重し「守る」ものなのだから。

物事に白黒なんてありません。
その人が白に捉えるか、黒に捉えるかの問題。
だから外国人がいることをどう捉えるかも一緒。

格差社会を生み出す「黒」として捉えるか。
それともビジネスチャンスや異文化交流といった面白さを生み出す「白」として捉えるか。
少しでも「白」だと思える人が増えれば、世界は確実に良くなっていく。

人間はよくわからないものに対して恐怖感を抱く。
恐怖感を抱くから攻撃したくなる。
攻撃するから争いが起きる。

だから「黒」を「白」に変えるためにの第一歩は、「黒」を知ること。

外国人が1人もいない場所で、現地の人と同じ目線で、同じ生活をする。
そして、現地の人と同じご飯を食べ、同じ言葉で会話する。
こうして、お互いを知り、お互いの存在を「黒」から「白」へと変えていく。

これこそが、青年海外協力隊が存在する最大の意味なんだと思います。

任期残り1年!実践できるように頑張ります!  

バングラデシュ関連記事はこちら。
次は⇒「バングラデシュでテロが起きた今、どうしても読んでほしいブログがある」