「韓国系」と称して在外韓国系選手資格により昨シーズン、韓国女子プロバスケットボール・リーグ(WKBL)の富川KEBハナ銀行で活躍し、特別帰化を申請していたチェルシー・リー(26)=米国・写真=に対し、選手永久除名とチーム成績抹消という懲戒処分が下された。WKBは5日に理事会を開き、昨シーズンの同選手の全記録と賞を取り消し、永久除名することを決定した。また、昨シーズン公式戦2位となり、チャンピオン決定戦で準優勝したKEBハナ銀行の順位や成績もすべて抹消され、その賞金も返還されることになった。今回の事件で欠点が発覚した在外韓国系選手制度は事実上、廃止となる。これまで親や祖父母が韓国国籍者であれば「韓国人選手と同じ資格」でプレーできるようになっていたが、今後は韓国国籍取得者のみが韓国人選手と同資格となる。
チェルシー・リーの詐称は、検察が先月15日、「チェルシー・リーとその父親の出生証明書の両方が偽造された」と捜査の中間結果を発表して明らかになった。祖母が韓国人で、自分は韓国系だと称していたチェルシー・リーは、昨シーズンKEBハナ銀行を準優勝に導き、新人王など6つの個人タイトルを獲得した。チェルシー・リーは韓国人の特別帰化まで申請していたが、法務部(省に相当)の審査で書類の偽造が発覚した。
選手とチームの記録はすべて消えたが、「違法選手にだまされて女子プロバスケットボールの1シーズンがすべて汚された」という批判は避けられない。在外韓国系とされたチェルシー・リーは、各チームの外国人選手保有制限(2人)や出場時間制限といった制約を受けずにプレーしていたためだ。
連盟の責任について、WKBLのシン・ソンウ総裁は「このような事態が再発しないように総力を尽くす」と述べた。KEBハナ銀行バスケットボールチームは同日、「道義的責任を負う」としてパク・チョンチョン監督とチャン・スンチョル・オーナーの辞任を発表した。
また、KEBハナ銀行は「チェルシー・リーとチェルシー・リーの代理人に対しては法的措置を取る」と発表した。同チームは今回の連盟の制裁により成績抹消だけでなく、来季の国内・外国人選手ドラフト会議での指名順が最下位になる。