手を抜く。
職場にかなりサラリーマン経験の長い人がいるのだけど、その人がこんなことを言っていた。
「仕事は適当に手を抜かないとダメだよ。いつも全力でやってたら、すぐにバテちゃうよ」
そうだろうなあと思ったけど、正直、なんのアドバイスにもなってないと思った。私には「適当」の意味が分からないからだ。
私の父も「適当にやれ」と助言してくれるのだが、そういう人は「どこで手を抜いたらいいか」が分かっているのだろう。ところが、それが私には分からない。あるレストランで働いていたとき、親切なおばさんから、
「二条くん、適当に手を抜きなさい」
と言われたので、
(そうだな、手を抜こう)
と思って火のついたカレー鍋を放置しておいたところ、完全に焦げ付いてしまい、ランチの用意ができなくなり、レストランが大混乱したことがある。
「○○さんが手を抜けって言ったから……」
そう言い訳すると、その親切なおばさんは、
「あんた、手を抜く箇所を間違えてるでしょ……」
と呆れたように言った。
私には、どこで手を抜けばいいのかが分からない。「適当に」と言われても、どうすることが「適当」なのかが分からない。「あてずっぽう」で手を抜こうとすると、大抵致命的なところで手を抜いており、大勢の人に迷惑をかける結果になる。
前述した人の言った、「全力でやってるとバテちゃう」という、その言葉の意味は分かる。だが、それを実行する方法が分からない。手を抜いていい場面というのが分からないのだ。それが分かっているから、私は全力でやるしかない。そして全力を続けて、バテて辞める。それはとても愚かなことかもしれないけど、手を抜いていい場面が分からない以上、そうするしかないのだ。
長く仕事を続けられる人は、手を抜いていい場面が分かっている。それまでの職業経験でそれを習得した人もいるし、高校生のアルバイトでもそれが分かっている子もいる。たぶん、手を抜いていい場面が分からない人間のほうが少数だろう。
全力で続けて、力尽きたら辞める。
その繰り返しは本当にうんざりするけど、私にはそうするしかないのだ。
11月 25th, 2013 at 8:29 PM
こんばんは。
私も「適当」の意味が分からず悪い意味で全力を出してしまう一人です。
前々から思ってましたがわたくしと同様「発達障害」の特徴が貴ブログからうかがえます。
ひきこもりの中には発達障害持ちが少なからずいるようです。
どんなにあがいても社会に「適応」できなくてひきこもるケースが多いようです。
11月 27th, 2013 at 6:54 PM
こんばんは、自分も発達障害かもしれません、しかしどこに相談すればいいかわかりませんし、精神科医にわかるわけないですし、普通の人から見れば怠け者にしか見えないでしょうね。
11月 27th, 2013 at 7:27 PM
時々お邪魔させて頂いています。
適当に手を抜く、というのを自分の経験談から、具体的に書いてみます。
まずス-パ-で精肉加工のバイトをしていた時は、
上司の目がない時は、床に器具を落としても洗わずにそのまま使ったり、
いちいち手を洗わなかったり、とマニュアルを無視して、手を抜いていました。
面倒だったので。
(衛生上どうかということはまた別の話なのでご勘弁)
しかし出来上がった商品に異物が混じっていないか、とか、値札を間違えないか、ということについては
手を抜けません。
これは目に見えるものなので、何かあればクビになりますから。
二条さんの場合は、鍋のカレ-をきちんと仕込むという作業は、手を抜く場所ではないですね。
きちんとしたカレ-を作る、というのは「目に見える仕事」です。
あとは勤務中、何度かトイレに行って休むとか、
要は目に見えないどうでもいいことは、適当にしていいってことですよ。
職種が違うと参考にはならないと思いますが。
すみませんが、時々訪れますのでまたお話させて下さい。
11月 29th, 2013 at 1:46 AM
料理の腕は、いまの生活に生きてますか?
一人暮らしだと、自分でご飯を作って自分で片付けないといけないので、大変ですよね。自分も十数年?前から、自分で作って自分で食べて、自分で片付けてます。
母親の介護をしていた時は、腕をふるって料理を作っていたんですが、いまは、料理をつくるのがかなり面倒ですね。
11月 29th, 2013 at 3:41 PM
あまり頭の調子が良くないので、深く文章が読めていませんが、他の方のコメント内に”発達障害”の単語が読み取れたので、私も便乗して、前から、取り上げたかった書籍を一つご紹介しておきます。
http://neccocafe.com/news/20130918-3.html
http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/4591136361/
ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護 (ポプラ新書)
私自身は、法の保護を受けられるほど重症ではないですが、やはり、普通の人がたやすくできる事で困難なことがかなり多いです。。
11月 29th, 2013 at 4:10 PM
豚猫さん
こんばんは。
カレー鍋の件は、アスペルガーを彷彿させるでしょうね。
ただ、アスペルガーの人でも社会で働いている人はたくさんいるので、私も人並みにはなりたいなと思います。
11月 29th, 2013 at 4:11 PM
りゅまさん
こんばんは。
精神科医自身がおかしいこともありますもんね。怠けとも違うというのは、すごく分かります。
11月 29th, 2013 at 4:12 PM
びびびさん
どこで手を抜けばいいのか、とっさには分からないんですよね。。。まあ、考えても分からないんですが。
やっぱり自宅でできる仕事を開拓するしかないかなあと思います。
11月 29th, 2013 at 4:13 PM
非24時間睡眠覚醒症候群さん
料理のほうは、多少なりとも役に立っています。疲れて帰ってきても、料理をするのはそんなに面倒ではないですね。
お母様の介護をしていらしたのですか。大変でしたね。。。
11月 29th, 2013 at 4:15 PM
kyotosometimeさん
そうですか、kyotoさんも困難なことがありますか。コメントを見る限り、普通ですけどね。。。
なんとか、社会で生きられる場所が欲しいところです。