不安がなくならない。

一時期、熱心に貯金に励んでいた時期があった。親が死んだら自分も死ぬという緊張感が苦しくて、それから逃れようと、蓄財に必死になったのだ。今は貯金が少ないから不安が大きい。だが、貯金が今の二倍、三倍になれば、不安も二分の一、三分の一に軽減するのではないか。そう思って必死に貯金に励んだのだ。

だが、どんなに貯金が増えても、不安が軽減することはなかった。目標にしていた貯金額があって、それに到達すれば不安が減ると思っていたのだけど、実際にその金額に達しても、まったく不安は軽減しなかった。それどころか、貯金のために日々の生活をつまらなくしてしまったことに、後悔すら感じた。

どんなに貯金が増えても、「親が死んだらおしまい」という結末が待っていると、不安はなくならない。貯金が少なくても、みんなと同じように働けるほうが、よっぽどいい。

「お金がなくなったら働けばいい」という境地に、どうしても立てない。これまでずっと親からの仕送りで生きてきて、就労から逃げ続けたために、「無職でひきこもり」という状態が、私にとって「普通の状態」になってしまった。私にとっては、毎日自宅にいるという状態が「普通の状態」であって、「職場で働く」という状態は異例である。そんな私なので、どんなにお金がなくなっても、働くという選択肢がないのだ。

少ない仕送りから、さらに切り詰めて、貯金に回す。毎日、必死になって支出を削減する。そうやって少しずつ少しずつ貯金を増やしてきたけど、不安が軽減することはなかった。おそらく、貯金が一千万、二千万あっても、不安を抱えたままだろう。親が死んだら、あとはその貯金が減る一方なのだから。

蓄えを増やすという方法では、不安はなくならないことが分かった。たぶん、就労という手段に出ないと、不安はなくならないと思う。

だが、同僚とうまく付き合いながら働くというのは、私にとっては無理である。

ひきこもりが知恵を出し合って打開策を練るという方法も模索していたが、結局、今年もなんの進展もなかった。今はもう、蓄えに励む意欲もなくし、半分開き直っている。

貯金以外に不安を軽減させる方法があればいいのだけど。

9 Responses to “不安がなくならない。”

  1. N Says:

    未遂などからの保護や刑務所や家の無い暮らしなどが思い浮かびます。

  2. りゅま Says:

    自分も同じです。就労するのは裸で戦場に行くようなもんです。なんせ完全武装した連中を相手に戦うようなもんですから。

  3. 非24時間睡眠覚醒症候群 Says:

    自分の場合だと4000万ぐらいあれば、だいぶ、安心できます。
    2000万でも、だいぶ安心できます。
    2000万、ないんですけどね。
    ただ、このまま一人だとさみしいとは思います。

  4. 非24時間睡眠覚醒症候群 Says:

    結婚とか、するつもりはありますか。
    自分の場合、「このまま孤独死かな」というようなことを考えると、
    なんとも言えない気分になる時があります。

  5. 尼ちゃん Says:

    家のローン、子供の学費、食費、保険
    1か月でも給料がないと、そのまま赤字です。(その赤字どうするんかは知りませんが)
    働いていたって不安は大きいですよ

  6. 二条淳也 Says:

    尼ちゃんさん  

    そうですね。

  7. 二条淳也 Says:

    Nさん 

    そうですね。

  8. 二条淳也 Says:

    りゅまさん

    就労ほど怖いものはないように思えます。。。

  9. 二条淳也 Says:

    非24時間睡眠覚醒症候群さん

    4000万あれば、だいぶ安心できますね。2000万でも大金ですよね。

    お金で解決できる問題とできない問題がありますよね。

    ちなみに、私には結婚は無理だと思います。両親とも暮らせない人間が他人と共同生活できるとは思えないので……。

    私の場合、死ぬなら一人で死にたいです。。。

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