誰からも嫌われる人は。

かなり個性的なものの考え方をするからだろうか、大抵の人からは嫌われる。十人のうち八人からは嫌われる。

だが、あながちこれが悪いとも思えなくなってきた。

世の中には、周囲の人ととてもうまく付き合う人がいる。どんな環境にも順応し、どんな人とも仲良くできる人がいる。私からみれば、うらやましい限りだが、どういうわけか、そんな人は強い愛情からは縁遠いようである。

電機部品会社で同僚だったYさんは、仕事の覚えが早く、しょっちゅう仲間から「飲みに行こうよ」と誘われるような人気者だったが、お見合いを何度も繰り返したあげく、独身が続いていた。清掃会社で同僚だったTさんも、誰とも上手に付き合い、ほぼ欠点のない人だったが、誰かから強烈に愛されるという経験はないようだった。

誰ともうまくやっていける人というのは、案外、強い愛情には縁がないのかもしれない。これは異性愛に限ったことではなく、友人関係についてもいえる。みんなとうまくやっていく人いうのは、ある特定の人から強い好意を受けることはないように見える。

嫌われる人には、チャンスがあるように思える。多くの人から嫌われる人は、ごく少数の人から強く愛される可能性がある。これは嫌われている人を慰めるために考えたことではなく、私の人生経験からいえることだ。十人のうち九人から嫌われるような人は、残りの一人から強く愛されるような人なのではないか。

個性がない人ほど、周囲とうまくやっていける。個性が強い人ほど、周囲からは浮いていく。それはたぶん事実だと思う。個性が強い人は、たしかに周囲と衝突することが多いし、嫌われる可能性も高くなる。だが、ごくごくわずかの人からは、強い興味を示されることがある。私も出会った人の八割がたからは嫌われてきたが、今思い返してみると、たしかに少数の人からは強い好意を寄せられた。そう思うと、多数の人から嫌われることは、それほど不幸なことではないようにも思えるのだ。実際、誰とでもうまく付き合える人は離婚することが非常に多く、「変な人」「変わってる」などと言われている人は、パートナーといつまでもうまくやっている人が多い(私の周囲に関しては)。

多くの人から嫌われる人には、可能性がある。ごくわずかな人から強く愛されるという可能性だ。

ここに書いたことは、たぶん事実だと思う。

4 Responses to “誰からも嫌われる人は。”

  1. kyotosometime Says:

    気まぐれに、コンニチハ。

    私は、あまり、@@の法則とかは信じなくて、全ての事は偶然の集積なのさ
    とかなり虚無主義なんですが、、、(自分自身を例外者と感じているため)

    今回の二条さんの所感「多くの人から嫌われる人には、可能性がある。ごくわずかな人から強く愛されるという可能性だ。」には、うんうん、そうかもね。と結構頷いてしまいました。

    二条さんの半生をまとめて聞いていると、そうなのかもと思えてきます。

  2. 二条淳也 Says:

    kyotosometimeさん

    気まぐれですねコンニチハ。

    そうですか。頷いて頂けましたか。

    そういえば、もう「半生」といえるほど生きてしまいました。人生って短いですねえ。

    でも、すべては偶然の集積というのも説得力ありますね。

  3. クラリオン Says:

    初めまして!
    確かに、多くの人間から嫌われている者は、一部の者から支持されることがありますね。
    その一部の者の中に有力者がいた場合、出世することもありうるわけです。
    憎まれっ子世にはばかるという格言がありますが、現実をよく観察されたものとして頷いています。
    また、ドイツに『誰の友にもなろうとする人間は、誰の友人でもない。』という名言がありますが、
    何処の国でも人間模様は同じみたいですね。

  4. 二条淳也 Says:

    クラリオンさん

    はじめまして、こんにちは。

    そうなんです。多くの人から嫌われる人は、ごく少数の人から関心を持たれるんです。

    ドイツの名言は、すごく説得力がありますね。

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