韓国で賠償も反省もしないVW、大幅割引で販促成功

 輸入車業界関係者は「大幅な値引きは長期的にはブランド価値を下げることにつながるため、普段は用いない手法だ。VWはどうやっても韓国でブランド価値は落ちないという自信を抱いているようだ」と話した。

 米国でも昨年10月からVW販売店が6000-7000ドルの値引きを行っているが、11月の販売台数は前年同月を15.3%下回ったままだ。日本でも同様に値引き販売を行ったが、効果は見られず、販売台数は前年同期に比べ31.8%減少した。

■環境問題よりも個人の利益

 韓国でもVWに対する否定的な見方はあるが、価格さえ安ければ買うという消費者がまだまだ多い。自動車情報サイトには「国産車は平気でいられるのか」「普段は買えない車を買わなくては」「世界的に有名な車を安く買えるチャンスを逃すのはバカだ」「微小粒子状物質の問題はそれほど深刻なのか」といった書き込みが相次いでいる。外車を好む漠然とした心理が根底にある。大林大自動車学科の金必洙(キム・ピルス)教授は「忠誠度が高い外車購入者は排気ガス不正のような状況が生じてもそれを合理化する傾向がある」と説明した。

 加湿器殺菌剤騒動で韓国の消費者が見せた行動と比較すると矛盾だという意見もある。西江大社会学科のチョン・サンジン教授は「加湿器殺菌剤の場合は自分に被害が及ぶが、VWの場合は自分に被害は及ばないと感じているようだ。値引きなどの個人的利益と環境汚染という社会的名分の狭間で個人的利益だけを追求する自己中心的な購入行動が表れた」と分析した。

キム・チュンリョン記者
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