【コラム】1000年の古都・慶州を「映画のセット」にするつもりか

 奈良にあった古代の王宮、平城宮は、1955年に発掘が始まり、今も続いている。60年で発掘したのは、全体の34%にしかならない。平城宮の発掘関係者の話は、多くのことを考えさせる。「自分の手で100%発掘し尽くすという考えはない。過去と現在では発掘技術が異なる。今、発掘を全てやってしまったら、未来の技術を利用できなくなる」

 文化財の発掘や整備とは、こういうものだ。一度誤って手を付けてしまったら、回復不可能だからだ。月城は、新羅の宮城だと分かっているだけで、武烈王や文武王がどこで国を治めていたのか、善徳女王がどこで休んでいたのか、全く明らかになっていない。月城外、王京地域の旧新羅人の居住地域や道路なども同様だ。慶州開発を政権の「実績」にしようとしてきた歴代政権のせっかちさのせいで、基礎的な発掘・研究を落ち着いてやる暇がなかったからだ。新羅時代の徐羅伐の姿を描く端緒が何もない状況で、古い家を建てて道路を再現するというのは、慶州を映画のセットのようにするというのと同じことだ。最近では、資格や能力が検証されていない民間機関に随意契約で発掘・研究を委託しているせいで、不正の懸念があり、血税が浪費される事態も起こっていると聞く。

 大統領が関心を持ったら、部下の中には何倍にも話を膨らませて急ぐ人間だっているというものだ。韓国政府と慶州市は、何が真に慶州のためになるか、新羅遺跡の保存・発掘に関する哲学・姿勢を今からでも考え直してみるといい。

金泰翼(キム・テイク)論説委員
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