頭のおかしい精神科医。

「頭のおかしいカウンセラー」という記事を以前書いた。

その後、私は別の精神科に行ってみた。以前のクリニックはカウンセラーと二人で話し合い、その後精神科医から出される薬についての説明を受ける形式だったが、今度は精神科医と二人で問題を話し合うスタイルの病院だった。

とてもキレイなクリニックで、精神科医は五十代とみられる落ち着いた女性だった。

(カウンセラーは医師ではないから、おかしい人がいる。ちゃんとした精神科医なら大丈夫だ)

そう思って、安心しきって診察にのぞんだのだが……この精神科医がひどかった。

彼女は、かなりかたよった政治主張を持っている人だった。ある特定の国に強烈な敵意を持っており、それを診察中にぶちまけてくるという人だった。現在の日本の政治について、世界情勢について、とにかく自分の主張を言いたくてたまらないという人だった。

「ひきこもりから抜け出せなくて悩んでいる」

と私が言っても、

「××という国が世界をおびやかしているんだから、それをただすことが先決だ!」

などということを真顔で言うような人だった。ウソのように聞こえるかもしれないが、本当の話だ。

彼女が正義感の発露に飢えていることは、誰の目にも明らかだった。彼女は「政治の話がしたい」という欲求をどうしても抑えられない人であり、それが話せるチャンスがやってくると、ところかまわずそれを口にしてしまう人だった。本当に、

(この人、頭おかしいんじゃないの?)

と思った。

不幸なことに、私の政治スタンスは彼女とは逆だった。だから、彼女がぶちまける政治主張に対して、私は一切同調しなかった。

これが彼女には気にくわなかったようだった。私が彼女の話に賛同しないとみるや、彼女は、

「別の病院に行きなさい!」

と言い放ったのだ。政治スタンスと治療はまったく別の次元の話である。だが、彼女にはそれが理解できていないようだった。政治スタンスの違う相手とは話もしたくないという人だったのだ。「私の患者になりたいなら、政治スタンスも一致させなさい」というような人だったのだ。その非常識さに、本当に驚いたものだ。

精神医療にたずさわる人は、頭のおかしい人が本当に多い。これは私の経験に基づく実感である。内科や整形外科の医師はみんな普通の人だったが、精神科にたずさわる人は人格を疑うような人がすごく多かった。

おかしいからこそ、彼ら彼女らは精神科に興味を抱いたのかもしれない。自分が病んでいるからこそ、彼ら彼女らは、精神医療にたずさわろうと思ったのかもしれない。

もう行かなくなってしまったが、今でのあの女医は、診察室で患者を相手に自分の政治主張をぶちまけているのだろうか。

精神科で最も厄介な病人は、治療者本人だと思う。

4 Responses to “頭のおかしい精神科医。”

  1. サリー Says:

    確かにありえない精神科医ですね。
    むしろ、偏見かもしれませんが、女医で普通の人に診てもらったことがないです。どこか、ストレスのはけ口に、持論の押しつけや態度で表わされているような。私の場合、行くたびに態度が変わるので怖いです。まだ、無口な男性医師の方がいいです。いい先生が見つかるといいですね。

  2. 二条淳也 Says:

    サリーさん

    本当に、精神医療の世界はおかしい人が多いです。サリーさんも、かなりご苦労されているようですね。

    お互い、いい医師に巡り会いたいですね。

    そんな医師がいれば、の話ですが……。

  3. みき Says:

    同感ですね。
    これまで診てもらった女性の精神科医は、どこかおかしかった。診察中に、足を組みながら私の話を聞く。自分の考えを押しつけてくる。男性医師にもいますが気分屋。
    まあ、この医師じゃダメだと思ったら転院しかないかも。

  4. 二条淳也 Says:

    みきさん

    自分の考えを押しつけてくる医者は多いですよね。

    周りがチヤホヤしているから、自分は偉いと思ってしまうのでしょうか。。。

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